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週刊現代 日本
「あの県」だけは許せねえ!どーでもよすぎる県民バトル十番勝負
傍から見れば似たり寄ったりだけど…

他県から見たら「似たようなもん」の二つの県が、激しくいがみ合っている。当事者が真剣であればあるほど、どーでもよすぎて笑えるバトルの十番勝負!

ヤンキー人口は茨城が「仏契」
そろそろ「北関東最強」決めっぺ?

調子くれてんじゃねっぺよ!

群馬県太田市に住む30代男性が息巻く。

「茨城出身の(芸人の)ピース綾部が、最近『ニューヨークに行く』とか騒いでっけどさ、ウチの布袋(寅泰。群馬県出身のロックバンド・BOWYの元ギタリスト)は、4年も前からロンドンにいるからね!

ロンドンのレストランで、店員がナメたこと言ってきたときも、布袋は一喝して黙らせたっつうから群馬の誇りだね。多分上州弁で。綾部にはそんなことでぎねえだんべ」

茨城県土浦市出身の20代男性が張り合う。

「群馬ぁ~? こないだ発表された、都道府県魅力度ランキングでまーた茨城が最下位だったからって、調子くれてんじゃねっぺよ! お前らも45位だろがっつの! だいたい群馬なんか、普段意識しねぇから。隣の県? 言われるまで忘れてたわ」

自慢のリーゼントをいからせ、グイグイおでこを押し付け合いながらメンチを切る――失礼ながら、群馬vs.茨城という北関東の「両雄対決」には、そんな一触即発の雰囲気が漂っている。のっけから、他の都道府県の追随を許さない貫禄だ。

世の中にはいろんな調査があるもので、「ヤンキーが多そうな都道府県はどこ?」というアンケートが'14年に実施されている。結果は投票総数3564人のうち、実に4分の1を超える901人が茨城に投票。2位・千葉県の368票に大差をつけ、「仏契」でヤンキー大国の栄誉に輝いた。

県庁所在地の水戸市内にも、今なお特攻服に身を包み、ハンドルを長く改造したチョッパーバイクならぬ「チョッパー自転車」に乗る化石級ヤンキーが生息する、茨城の面目躍如である。ちなみに群馬は10位だった。

茨城弁普及運動に励む傍ら、県のまちづくりアドバイザーなども務める「茨城王」こと青木智也氏(常総市出身)が言う。

「正直、茨城県民は、もう群馬と張り合うつもりは全然ないんですよね。だって12月には、あのレアル・マドリードを相手に、鹿島アントラーズが互角に戦った。世界中が大喝采でした。ザスパクサツ? 鹿島の敵じゃないでしょう。もはや住む世界が違うんじゃないでしょうか」

「調子くれてる」のは茨城県民のほうではないか、という気もしてくるが、ここまで言われては群馬県民も黙ってはいない。真夜中の赤城山を改造カローラで爆走するドリフト族のごとく、早口の上州弁で反論した。高崎市出身の40代男性。

「群馬も今や世界レベルですよ。世界遺産の富岡製糸場があるからね。世界の群馬、いやもうGUNMAと言ったほうがよかんべ。茨城に世界遺産あんの? ねえでしょ? 牛久大仏しかねえよ。

日本人にさえ『いばらぎ』って読み違えられてるようじゃあ、世界進出なんかムーリムリ。外国人客も、群馬の温泉にゃ大喜びよ。もう、どんどん差ぁ開いちゃうね」

侠客・国定忠治が、小渕恵三元総理を抑え、地元出身の有名人で人気ナンバーワンの群馬県。豪気な県民性は勢いを増すばかりだが、年末年始の過ごし方はあくまでローカルだ。向かう先はハワイ、ではなく車で行ける県内の施設である。

「前橋にはそりゃあ大きなTSUTAYAがありますよ。今でさえ高崎と太田には2大イオンモールがあるけど、高崎の駅前にも今度、さらに北関東最大級のイオンができる。さらに今年は4月に武道館並みの巨大施設、高崎アリーナも完成するしね。

茨城は海があるとか、ひたち海浜公園があるとか言うけど、吹きっさらしじゃおちおちコンサートもできないよ」(前出・高崎市出身の男性)

 

お互いに「意識してない」と言い張りつつ、火花をバチバチ散らす群馬と茨城。しかし彼らも、時に心を通わせることがある。より東京に近い「格上」の県、千葉と埼玉を前にしたときだ。

「千葉は茨城のことを『関東じゃなくて東北だ』とか言うからムカつくよね。浦安ディズニーランドがあるからって」(前出・土浦市の男性)

「群馬と埼玉はどっちも海なし。なのに埼玉は東京に接してるってぇだけでチヤホヤされる。ひでぇ話だ」(前出・太田市在住の男性)

「北関東連合」結成の日も近い、かもしれない。

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