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年金だけではまったく足りない! 人生100年時代のゾッとする真実
政府はウソをついている

1億5000万円必要

現在60代から70代の人たちは、現役時代に右肩上がりの経済成長を享受してきた世代だ。

しかし、100年生きることが珍しくもない超高齢化社会の到来で、経済の状況はガラリと変化することは確実。右肩下がりの時代に向けて意識を転換しなければ大変なことになる。

事実、すでに政府は年金支給額のカットや高齢者の医療費負担増といった施策を打ち始めている。

仮に100歳まで生きたとしたら、どれくらいのカネが必要なのか、試算してみる。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦氏が解説する。

「総務省の家計調査報告を基に計算してみましょう。

60~69歳の生活費は夫婦二人で年間約330万円(10年で3300万円)。70~74歳は年間約300万円(5年で1500万円)。そして、75歳以降は平均272万円かかるので、100歳まで26年間生きた場合、7072万円(総計で1億1872万円)になります。

こうした日常の生活費以外にも自宅のリフォーム代、医療・介護費、趣味や旅行に使うお金もあるので、2000万~3000万円くらいはかかると考えておいたほうがいい」

合計すると、100歳まで安心して生きるためには約1億4000万~1億5000万円という途方もない額のカネが必要になるわけだ。

収入のほうはどうか?

「平均的なサラリーマン世帯の年金収入は月額22万円、年間で264万円です。65歳から受給した場合、100歳までの年金収入は約9500万円。必要な額からおよそ5000万円が不足する計算になります」(深野氏)

 

現役時代の貯蓄や退職金などが豊富にあればいいが、なかなかそうもいかないだろう。また、年金支給額は今後、減らされても増えることはありえない。

「昨年の年金カット法では、現役世代の賃金が上がらない場合は年金も上がらないという仕組みが導入されましたが、その程度では年金制度は維持できません。すでに受給している世代の年金も、たとえば10%カットのような大鉈がふるわれる可能性がある」(深野氏)

医療・介護費の負担も増加している。昨年12月15日に決まった医療制度の見直し方針では、70歳以上でも一定の所得があれば現役世代と同じ負担を求められるようになる。たとえば70歳以上の一般所得者(市町村税が免除されていない人)の場合、外来診療の自己負担上限額が1万2000円から1万8000円に増額される。

また、現役並みの所得がある高齢者は介護保険の利用料の自己負担割合が2割から3割に増えることも決まった。

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生活保護ももらえない?

「現在はまだ、平均的なサラリーマンであれば、年金収入だけでもなんとか生活できます。しかし今後、年金が減り、医療・介護費が増えていくなかで最終的には生活保護を受けるしかない人も出てくるでしょう。

そうならないためには、できるだけ収入の範囲内で生活するよう、暮らしをダウンサイジングすることが大切です。また、親の介護のために自己資金を出すのは危険です。介護費用などはできるだけ親の年金や貯蓄などで賄い、おカネ以外の面で支援することを考える。

そうしないと親の介護におカネを使ってしまったため、自分たちの老後資金がなくなってしまうことになりかねない。親の世代よりも自分の世代のほうが老後の生活はもっと厳しくなるということを肝に銘じておいたほうがいいでしょう」(深野氏)