Photo by GettyImages
ゴルフ

松山英樹は今年、世界を獲る!「たった一つの夢に向かって」

頭の中にはゴルフしかない

日本人による海外メジャー制覇――ゴルフファンの夢は、まもなく叶う。

オフの取材は反省点を見つける時間

世界ランクで自己最高の6位につける松山英樹は、わずかな師走のオフを日本で過ごしていた。

「息抜きの時間とは思っていないですね。取材を受けていたら、自然とゴルフの反省点が浮かんできます。課題が見つかるという意味では、良い時間なのかな。

ストレス? そんなの、ない人間なんていないっしょ(笑)」

今や〝世界のMATSUYAMA〟。日本人初の海外メジャー制覇に、国民の期待も集まる。

「それは嫌でも感じること。期待を力に変えられるかは分からないけど、僕の目標もメジャーで勝つことだけですから……」

 

'14年6月に日本人として4人目の米ツアー勝利を飾った。

「勝っちゃった」

それが、正直な感想だった。だが、'16年終盤の5戦4勝(国内2勝含む)は、転がり込んできた勝利ではない。それでも本人はこう語った。

「勝てちゃった、が正直な気持ちかな」

つまり、海外での勝ち方が分かって来たということではないか。

「うーん、どうなんだろうなあ。やっぱり、たまたまですよ。すべての試合で勝利を目指しているんですけど、その結果が良い方向に出ているだけ。

〔PHOTO〕gettyimages

実際、4勝しても好調だと思ったことはないし、勝因もパットがいつもより入っているかなというくらい。調子の良し悪しが結果に比例しないのがゴルフです。それが面白さであり、難しさ」

目標は今日と明日で変わるもの

メジャー仕様のグリーンに対応すべく、高い弾道のアイアンショットの練習にも力を入れている。メジャー制覇に向けて、「課題は見つかっている」と松山はいう。

「ただ、それを他の人に言うつもりはありません。自分の中の課題ですし、それを克服したところで、良い成績が出るかも分からない。逆に僕のゴルフを見て、『足りない』部分があるのなら、教えてほしいぐらいです」

肉体改造にも取り組んできた。分厚い胸板や太もも周りは、海外選手と比べても見劣りしないが、そういう陰の部分の努力も、松山がひけらかすことはない。

〔PHOTO〕gettyimages

「自分ではストイックにやっているつもりはないし、トップを目指すために普通のことをやっているだけ。だからハードとも思わないです」

見たい映画やテレビ番組、読みたい本はあるかという質問には、「ないです」と即答。聴きたい音楽もない。頭の中にはゴルフしかないらしい。

「もっと上手くなりたいし、楽しいから練習も続けられる。

具体的な目標を質問されればその時には答えますが、今日、目指すモノがあっても、明日には変わっていますし、それは日々変わっていくものだと思っています。

ただその日のベストが尽くせればいいかなという考えしかありません」

4月に開催されるマスターズは、アマチュア時代から出場し、今年が6度目の挑戦となる。

「マスターズまでは常に(開催コースの)オーガスタを頭に入れて練習すると思います。もちろん、他の試合あってのマスターズだけど、メジャー制覇以外の夢はいまはないですね」

たった一つの夢に、松山は全神経を注いでいる。

文/柳川悠二)

松山英樹(まつやま・ひでき)
92年、愛媛県生まれ。明徳義塾高から東北福祉大を経て、'13年にプロ転向。日本ツアー通算8勝('13年賞金王)。米ツアーでは'16年10月の世界選手権シリーズ「HSBCチャンピオンズ」など3勝。昨年の全米プロでは4位に入る。181㎝、90㎏

「週刊現代」2017年1月14日・1月21日合併号より