〔PHOTO〕gettyimages
政治政策 行政・自治体
民進党への接近が、小池都政改革に大ブレーキをかける当然の理屈
「毒まんじゅう」を喰ってはいけない

改革が進まなくなるのは自明

東京都の小池百合子知事が夏の都議選に向けて動き出した。各紙によれば、知事は民進党と選挙協力の協議に入ることで合意したという。選挙協力が実現すれば、政策面でも連携するかもしれない。それで都政改革は進むのか。

結論を先に言えば、民進党との連携は知事にとって「毒まんじゅう」だ。小池知事が民進党と協力体制を築くなら、改革は失速するだろう。なぜかといえば、民進党という政党は、改革に後ろ向きな労働組合の支持で成り立っているからだ。

労組の支援を受けた政党と手を組んで、都政改革が進むはずがない。その点を説明するために、原点に戻って「そもそも改革とは何か」を確認しておこう。

2016年11月4日公開コラム(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50125)でも指摘したが、改革とは「行政の無駄や非効率をなくす」ことだ。これは都政でも国政でも同じである。

官僚は自分の権限と仕事を増やすことに生きがいを感じている。加えて、日本では何か不祥事や予想外の事態が起きると、すぐマスコミが「政府や自治体は何をしているんだ」と批判する。

官僚はそれをチャンスととらえて、新たな法律や条例、規制をつくる。すると新しい仕事が生まれ、組織も肥大化する。それで本来、民間が自己責任で律すればいい話も官僚任せになる。いったん始めた仕事は官僚自らなくすことはない。

なぜかといえば「仕事をやめる」とは、すなわち仲間の職を奪うことに直結するからだ。民間企業であれば、儲からなければ事業から撤退しリストラせざるをえないが、役所の費用は税金なので、リストラするインセンティブが働かない。だから官僚の仕事は肥大化する。

組織の肥大化は天下り問題に直結している。役所本体とともに、自分たちの息がかかった関連団体が増えれば、それだけ天下りポストが増える。天下りの縮減は関連団体の整理統合・縮小と裏腹の関係にある。

したがって原理的に改革の担い手は官僚ではなく、都民や国民に選ばれた政治家にならざるをえない。官僚が自ら組織の肥大化を改めることはないからだ。

 

では、労働組合の支持に頼った民進党が口を出すと都政改革が進まないのはなぜか。それは東京都の職員組合が改革に抵抗するからだ。東京都庁職員労働組合は都政について、どういう主張をしているか。

組合のホームページには、少し古いが「2013年度『東京都予算案』『職員定数』等に対する見解と態度」(http://www.tochoshoku.com/view/2013/20130214.html)という記事がある。それを見ると、都政リストラを進める予算案と定数削減に猛反対していることがよく分かる。たとえば次のようだ。

「コスト主義の徹底で経費削減を強制することは公共サービスの低下につながる」「都民サービスの最前線で業務を遂行する現業職員の配置は不可欠である。知事部局職員の道理のない定数削減は断じて認められない」「都政のリストラ攻撃を許さず闘い抜く」

ちなみに、東京都庁職員労働組合が加盟している自治労は労働団体の中でも最強組織として有名だ。これとは別に、共産党系の自治労連に加盟する自治労連東京都庁職員労働組合もある。

小池知事がそんな組合の支援を受けた民進党と手を組めば、都政のリストラや天下り縮減が進まないのは自明である。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら