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反小池か親小池か、迫られる踏み絵 〜「自民党離反派」議員の告白
都議選まで半年、吹き荒れる小池旋風

「小池派が優位」は本当か?

小池百合子都知事が、「小池新党」について「ある意味、もうできている」(1月4日付け毎日新聞インタビュー)と述べ、7日には7月の都議選に出馬する政治塾「希望の塾」の候補者を絞り込むための筆記試験を実施、引き続きマスコミの話題を集めている。

相変わらず、小池氏に風は吹いている。

公明党が議員報酬の見直しをめぐって自民党と決裂、民進党も蓮舫代表が「(小池都知事と)見ている方向は同じ」と、擦り寄りを見せる。その一方、自民党から都議3人が会派を離脱、「新風自民党」を結成した。

それに加えて、「希望の塾」が40人規模の擁立を検討しており、「小池支持派が多数派を形成」という観測が流れるのも無理はない。

都議会の定数は127。内訳は自民57、新風自民3、公明23、民進系18、共産17、かがやけTokyo3、生活者ネットワーク3、無所属3である。

自民と公明を合わせて83と、過半数の64を大きく上回っていた自公は、小池旋風の前にアッサリと分裂、自民は切り崩され、「ドン」と呼ばれた内田茂都議の威光は見る影もない。 

 

昨年の知事選結果を42の都議選挙区に当てはめると、すべての選挙区で小池氏が最多得票を記録。単純計算で42人の「小池派」が誕生する。

常に与党であろうとする公明が自公連携を解消、3人の自民都議が切り崩され、「さらに同調する都議がいそうだ」(自民党都議会関係者)というのは、みんな小池氏の力を恐れているからだ。

では、都議選を半年後控えた選挙区の現場では、具体的にどんな混乱が起きているのか。「新風自民党」に参加した山内晃都議のいる品川選挙区を取材した。

品川選挙区は、国政レベルでは東京都第3区に含まれ、自民党の石原宏高代議士、民進党の松原仁代議士が、石原3勝、松原2勝と激しい戦いを繰り広げてきた。都議選は、国政を反映、2009年が民主2、公明1、自民1だったものが、13年は民主が共倒れ、自民2、公明1、共産1だった。

品川の選挙事情に詳しい人物の解説――。

「現都議4名のうち、安定した力を持っているのは、石原慎太郎元知事の元秘書で、品川区議を2期、都議を3期務めた田中豪氏と、品川区の職員を19年務め、公明党都議3期の伊藤興一氏の2人。1期目の自民・山内晃と共産・白石民夫の両氏は、2人の民主党現役が出馬して2人とも落選。その間隙を縫っての当選だから、まだ心もとない」

山内都議は、サラリーマン生活を経て、佐藤裕彦都議の秘書を10年務め、06年、品川区議会補欠選に出馬して当選、38歳だった。以後、品川区議を3期務め、13年に都議となっており、典型的な「叩き上げ地方政治家」である。

秘書、区議を経て都議というコースは田中氏も同じだが、3期の“積み上げ”がある分、田中氏の方が票田は固く、前回の得票数も田中氏2万5140票のトップ当選に対し、山内氏は2万2862票と2300票の差がついた。その差は、それほど縮まっていないという。

しかも、7月は最低1議席の回復を狙って民進党が巻き返しを図っており、女性区議のなかには「希望の塾」の塾生もいて、支持者に立候補を勧められている。

「田中、伊藤の両氏が固く、民進党が1議席を確保するとすれば、残りを自民の山内、共産の白石両氏が食い合う。さらに、日本維新の会は立候補を表明、希望の塾からの立候補も考えられる。相当な激戦となるのは必至で、山内氏の自民会派からの離脱も、危機感の表れだろう」(前述の事情通)