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ファミレス「24時間営業」撤退、はたして「生産性」は上がるのか?
長時間労働に関する壮大な勘違い

ファミリーレストラン大手が相次いで24時間営業の見直しに動き始めている。日本では長時間労働が社会問題化していることもあり、外食大手の動きは概ね好意的に受け止められているようだ。

一部では、深夜営業や日曜営業が厳しく制限されてきたフランスやドイツを引き合いに、社会全体で営業時間の短縮を実現しようという動きも見られる。

一方で、時間短縮をやり過ぎると、日本はますます貧しくなってしまうのではないかと危惧する声もある。果たして社会全体での営業時間短縮やサービス縮小は実現できるのだろうか。またそれによる弊害はないのだろうか。

 

続々と決まる深夜営業の見直し

「ガスト」や「ジョナサン」を展開するすかいらーくは昨年12月、深夜営業を大幅に縮小すると発表した。

同社はファミレスを全国で約2500店舗展開しているが、このうち約400店が24時間営業、約600店が深夜2時以降までの営業だった。このうち約750店舗について、2017年1月中旬から順次、深夜2時閉店、朝7時開店に移行する。同じ時期、「ロイヤルホスト」を展開するロイヤルホールディングスも24時間営業の廃止を決定している。

電通の過労自殺問題に代表されるように、国内では長時間労働が社会問題化している。外食大手の決断は、こうした社会の動きに合わせたものだとの受け止め方が一般的である。

コンビニの24時間営業や百貨店の元旦営業など、過剰なサービスは必要ないとの声が一部から出ていたこともあり、今回の決定はメディアでも概ね好意的に受け止められた。

すかいらーくは深夜営業を減らすと発表 Photo by GettyImages

だが一方では、深夜営業の店がなくなってしまうと、夜中に働いている人の行き場がなくなる、といった声が出ているほか、横並びで一斉に営業時間の短縮を行うことについては違和感を覚えるとの意見もある。また、営業時間を短縮してしまうと減収減益要因になるとの懸念も根強い。

今回のファミレスの営業時間短縮が、いわゆる働き方改革の一環で実現したと考えてしまうと、物事の本質を見誤るかもしれない。

外食産業の営業時間短縮は、今に始まったことではなく、以前から試行錯誤を繰り返してきたものだからである。

すかいらーくは2013年には600店舗の営業時間短縮に踏み切っており、ロイヤルホストも2011年頃から営業時間の短縮を試みており、24時間営業を行っているのは現時点ではわずか2店舗である。

つまりファミレス業界はかなり以前から深夜営業の見直しを検討してきたのであって、電通問題を受けて急いで対応を決めたわけではないのだ。では、なぜファミレス各社は、深夜営業の見直しを進めてきたのだろうか。最大の理由は、客数の減少と人手不足である。