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まさにド級のサプライズ!三井住友銀行「仰天トップ人事」全内幕
「本命」はなぜ外されたのか…

下馬評を裏切る超ダークホースの頭取就任
敗れた副頭取が本誌だけに心境を語る

人事は「トップからの究極のメッセージ」と言われる。では、今回のサプライズ人事には、いったい誰に向けた、どんなメッセージが隠されていたのか。その全真相を、当事者たちが初めて明かす――。

元会長が「名前も知らない」と

三井住友銀行元会長で、現在は名誉顧問を務める岡田明重氏が、今回の人事を知った際の「率直な感想」を明かす。

「今度の人事についてはね、取締役会が終わった後に紙が回って来て、それで知ったんです。

僕は西川善文さんが頭取時代の会長ですが、現頭取の國部(毅)さんや、現社長の宮田(孝一)さんのことはよく知っています。頭取候補に挙がっていた車谷(暢昭)くんも僕の下で働いてもらったことがあり、とてもできる男です。あと、安倍総理とよくゴルフをしている副頭取の名前も候補として聞いていました。

でもね、実際に頭取に選ばれたナントカさんというのは全然知らないんです。会ったこともないし、名前も知らないし、顔もわからない。まったく知らない人が頭取になるのは、今回が初めてのことですよ」

かつてのトップですら、かくも驚く人事は珍しい――。

三井住友銀行が昨年末に電撃発表した「師走のトップ人事」がいま、金融業界で注目の的だ。

そもそも同行のトップ人事をめぐっては、ともに1980年入行で旧住友銀行出身の橘正喜副頭取、旧三井銀行出身の車谷暢昭副頭取と、1982年入行の太田純専務(旧住友)の3人がド本命で、伏兵は「安倍総理と懇意」の高橋精一郎副頭取(旧住友、'79年入行)とされてきた。

それがいざフタを開けてみれば、頭取に選ばれたのは髙島誠専務(旧住友、'82年入行)。これまでメディアにほぼ注目されてこなかった超ダークホースだったため、「ド級のサプライズ」と行内外が大騒ぎになっている。

 

当然、本命とされてきた当事者たちも戸惑いを隠せない。橘氏は人事発表直後、本誌記者にこう語っている。

「いやもう、この人事は僕が決める話ではないですし、ジャッジメントにかかわったわけでもないので、ちょっと僕に感想と言われても困るんですがね。まぁ、僕の性分としては、毎年いかに完全燃焼するかということでやってきましたから、『あとは自らを語らず』です。

それに僕は人事の仕事を長くやりましたから、そういう人間がみずからの人事を語っては成り立たない部分も出てきます。

彼(髙島氏)のことは米州本部長として僕の後任だったので、よく知っています。本当に優秀でグローバルな人ですから、なるべき人がなったと思っていますよ。

僕のこれからですか? それは、僕自身も知りません。なにも隠し立てするわけではなく、本当にこれからだと思いますので」

戸惑ったという点では実は髙島氏本人も同様で、國部氏から呼ばれて後継指名された際、発した一声は、「えっ?」。

國部氏が、「いや冗談ではない」と言っても、「え、えっ?」としか言葉が出なかったという。