規制緩和・政策 経済・財政
朝日新聞のあまりに稚拙な「経済成長否定論」を一刀両断してみせよう
経済面でも、この国をミスリードするか
髙橋 洋一 プロフィール

朝日新聞「経済政策批判」の常套手段とは

テレビ朝日の番組では、この点を踏まえて、失業の低下は最低限政府が行うべきことで、日本の場合成長率が1%下がると失業率は0.2%くらい上がると指摘した。

この対応は、その場のやりとりで出た話であるが、成長率と失業率の関係を示すオークンの法則について筆者は常に意識しているので、定量的な関係もすぐわかる。以下は、その根拠となる図である。

なお、メインキャスターの橋本大二郎さんから、人口減少が進んだとしても、オークンの法則は成り立つのかと聞かれたので、成り立つと答えている。もちろん日本を含め先進国で成り立つことが知られているからこそ、経済法則の名前に値している。

朝日新聞の成長否定論はおかしいことが、多くの人にもわかるだろう。

成長否定論は、これまでも経済運営がうまくいっているときに、戦後左翼系の識者がしばしば行ってきた。成長という実績の前に、政権批判したいときの常套手段である。こうしてみると、安倍政権の経済運営は朝日新聞が批判するほどになったかと笑ってしまう。

1970年代、日本経済が急発展を続けていた頃、やはり朝日新聞は「くたばれGNP」という連載を行っていた。その後、石油ショックで本当に日本経済が成長しなくなると、「くたばれGNP」どころでなくなったため、このスローガンは消え去った。経済がダメになったら、そもそも日本が終わりになるからだ。

上のオークンの法則が如実に示すように、経済成長は失業を減らす。そうなると、自殺率、犯罪率、生活保護率なども良くなる。

このように、経済成長は全ての問題に万能とはいえないが、それでも経済成長がないよりは、ある程度の問題を解決できる。経済成長は国民全ての所得を増やすことになるので、弱者を助ける分配問題においても、パイが大きくなるので解決が容易になる。

 

ボーリングでたとえれば、経済成長は1投目でセンターピンを倒すのに相当する。1投目でセンターピンにあたれば、うまくいけばピン全てを倒せるが、そうでなくても7、8本を倒せて、2投目でスペアがとりやすい。

逆にセンターピンを外すとスペアをとる確率が悪くなる(なお、筆者は50年ほど前のボーリングブーム時代にボーリングにのめり込み300点ゲームを達成したこともあるので、このたとえが好きである)。

さて、問題はこれからだ。

たしかに、成長否定論はおかしいことが今では多くの人にもわかる。しかし、どのようにしたら成長できるのか。ここがわかっていない人は多い。