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美女4000人に30億円を貢いだ「紀州のドンファン」の壮絶人生
いい女を抱くために私は金持ちになった
野崎 幸助

「これって買春やろ」

所轄の田辺署に被害届を出したのですが、担当した警察官はなかなか被害届を受理してくれません。

50歳近くもの年の差があるカップルというのが、警察側からするとそもそも想定外らしく、根掘り葉掘り事情を聞かれたのです。

「社長、孫ほどの歳の差があるんやで」

呆れたような捜査員の顔が忘れられません。しかし、孫ほどの年齢差の女性とお付き合いしてはいけないという法律は存在しないのです。あの俳優の上原謙さんだって、三船敏郎さんだって随分と歳の差のある方と結ばれていたではないですか。私としては違和感はないのですが、捜査員に理解してもらうのは難しいようでした。

「これって買春やろ」

捜査員から指摘されました。

「いえ、ちゃんとした交際ですよ」

私は即座に反論します。独身の私は、気に入った娘となら結婚も視野に入れているのですから、彼女とは交際中ということになるわけです。そのことを警官に訴えて、被害届は受理されることになりました。

私も人生経験は長いですから、盗まれた現金が戻ってくるとは思っていませんでしたし、貴金属も戻ってこないのではないかと思っていました。ただ、裏切られた怒りから被害届を出したのですが、捜査がどのように進んでいるのか警察側はまったく教えてくれませんでした。

後で判明しましたが、田辺署の捜査員たちは東京に長期の出張をして裏付け捜査をしていたそうです。結局裏付け捜査で私の被害届にウソがないことがわかって、彼女は身柄を確保されて田辺署に引っ張られてきたわけです。それが2016年2月22日のことで、実に事件から1年以上が経っていました。

前述したように、私が原田容疑者を訴えたのは、信頼していた者に裏切られたという憤りがすべてです。今までの人生で、私が選んだ女性にこのような裏切り行為をされたことがあまりなかったので、それだけ悔しさも大きかったわけです。

原田容疑者には少なくとも400万円ほどの現金をすでに渡しており、あのまま付き合っていればその金額は増えていったと思います。また、結婚する可能性もありました。そうなれば私の財産をすべて手に入れるチャンスもあったわけです。それなのにどうして私を裏切ることになったのか。

警察から事情をある程度聞きましたが、彼女には付き合っている男がいて、それに貢ぐために窃盗を働いたようです。彼女の国選弁護人からは現金の弁済はどうやら不可能だということを聞いています。貴金属に関してはかなり戻ってきていますが、現金に関してはどうせ返済能力はないようなので諦めました。

私は彼女の罰を望まないとの上申書を警察に提出し、2016年3月初旬になって彼女は起訴猶予処分で釈放されました。どうせ返ってこないでしょうから民事裁判を起こして、損害賠償請求をする予定もありません。

彼女からは今もって、謝罪の連絡はありません。私にとってはいい勉強をさせてもらったという気持ちです。ただ、こんな結果になるのは私としても非常に残念だったということは声を大にして言いたいことです。