人口・少子高齢化 AI

人工知能時代に生き残るのは、意外にも「こんな人たち」だった

実は、能力がない人ほど得をする…?
鈴木 貴博

仕事がだんだん消失していく。10人から8人、8人から6人と部下の数を減らしていかなければならない未来においては、生き残るサラリーマンは、最後は「ボスと仲がいいかどうか」で職場に残ることができるかどうかが決まります。

その時代には若手サラリーマンの芸人化が始まるのです。上司にいかにかわいがられるか、上司といかにプライベートを共有できるのか、上司と一緒にいる時間がどれだけ長いのか……そういったことができるかどうかで、組織の中での生き残りが左右されます。

 

意外に思われるかもしれませんが、これはアメリカ企業の中では現在でもあたりまえの力関係です。日本企業と違い、上司の人事考課権が絶対であるアメリカ企業では、上司に対するおべっかが生き残りには欠かせません。

若手芸人が先輩の楽屋にあいさつに行くように、若手サラリーマンが出社するたびに上司の席に「あいさつに伺う」ようになる。仕事のポジションが減る未来にはそうしていかなければ失業するからです。今から7年後ぐらいの未来では、こんな現象が社会問題になるかもしれません。

残酷なことが起こるのは間違いない

<第三の予測:15年後、若くて体力のある人だけが生き残る未来がやってくる>

人工知能とロボットが発達すると究極には人類の99%の仕事がなくなるという予測があります。百年後の未来を考えればそれはその通りなのですが、15年後ぐらいの近未来を考えた場合、人工知能とロボットにはどうしても到達できない、非常に優れた人間の体の機関があります。

それは指です。指先が行う繊細な仕事が、ロボットにも人工知能にも、どうにもマネできないのです。

それ以外の機関、つまり眼や耳などの感覚器官、脳のような思考力、足や腕のような四肢のマネごとまでは人工知能やロボットが比較的近未来には人間を代替できるようになるのですが、指先だけはどうしようもありません。

先日、ある経済学者の方から聞いた話ですが、甲斐の名産である信玄餅の工場を見学したところ、生産プロセスの大半はロボットが行っていたのですが、最終工程の箱詰めだけは人間が作業をしていたそうです。

【PHOTO】iStock

指先が必要な仕事の大半は現場仕事です。コンビニの棚に商品を補充する店員の仕事や、マクドナルドの厨房で調理のオーダーをさばく仕事、こういった細かい作業をする際には指が不可欠です。指の役割をロボットが代替できない以上、たとえ世の中の大半の仕事が消えてしまっても、こういった仕事だけはなくなりません。

そう。人工知能とロボットが発達した15年後の未来には、人類に残される仕事は現場作業だけになります。そうなるとサラリーマンの世界にはさらに残酷なことがおきます。

若くて働ける人材の方が給料は高く、歳をとって筋力も理解力も衰えた人材は給料が下がるか、それとも厄介払いされる時代がやってきます。

これが新しい現実です。これから15年くらいかけて、サラリーマン社会には完全な下剋上の時代がやってきます。今から15年後、仕事があって生計が成り立つのは若くて力仕事ができる人材だけ。それ以外のサラリーマンは頭のいい人から順にすべて没落し、一部の決定権を持つ者とそれにすり寄るものが生き残る――。

人工知能が発達する未来は、そういう世界になっている可能性が高いのです。