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医療・健康・食 週刊現代
身近なあの薬も!? 厚労省が新たに認定した「副作用のある薬30」
全然知らない医者もいる

あなたの飲んでいる薬にも、新しい副作用が追加されているかもしれない。厚労省が改訂指示を出す薬の安全情報は、なんと年に500件近くに上る。だが医者があなたにそれを教えるとは限らない。

全然知らない医者もいる

その文書はいかにも官僚的な文句で始まる。

「平成28年10月18日に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について、改訂内容等とともに改訂の根拠となった症例の概要等に関する情報を紹介します」

続いてリピトール錠5㎎、クレストール錠2・5㎎といった具体的な薬の名前が並び、

「免疫性壊死性ミオパチーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと」と副作用の説明がなされる。

これは厚生労働省がほぼ毎月発表している「医薬品・医療機器等安全性情報」の一部だ。この情報には、ふだん病院で処方されていたり、市販されていたりする薬の「使用上の注意の改訂」や「重要な副作用等に関する情報」が記載されている。

薬の副作用への知識や警戒感は、人によって大きく異なる。医師に言われたまま飲む人もいれば、副作用を知るために薬の添付文書に書かれている内容をきちんと読む人もいる。しかし、このような形で毎月のように情報が更新され、新しい副作用が次々と書き加えられていることを知っている一般人はほとんどいないだろう。

どのような仕組みで、「新しくて重要な副作用」は加筆されていくのだろうか。東京大学大学院薬学系研究科の小野俊介准教授が語る。

「副作用が厚労省に報告されるルートは3つあります。製薬会社、医者、患者です。

医療機関で処方されている薬に副作用が認められた場合、製薬会社は厚労省に届け出る強い義務があります。MRと呼ばれる企業の医薬品情報担当者がクリニックや病院を回って、副作用情報を集め、それをまとめて報告するのです。

また、医者自身も厚労省に報告する義務がある。ただし、これは製薬会社の義務ほど強いものではないので、副作用が過少に報告されているといわれています。実際、医者が発見した副作用のうち、10%ほどしか報告がなされていないという海外の研究もあるくらいです。

他には患者が直接厚労省に訴え出るというケースもある」

 

こうして集められた副作用情報は、国内の企業分だけでなんと年間3万~5万件にも及ぶ。

そのデータをPMDA(医薬品医療機器総合機構)という独立行政法人が精査し、新たに薬の添付文書に加えるべき副作用や、使用上の注意の改訂を決定し、製薬会社を指導するという仕組みだ。

冒頭の文書は、2016年11月に公表された改訂指示の一部である。

「指示を受けた製薬会社は、その情報をすみやかに医者や薬剤師、病院に伝えなければなりません。ただし、厚生労働省から出される改訂指示などの安全情報は年間400~500件にも上る膨大なものです。

MRもすべての情報を医者に伝えることはできませんし、そもそも医者も自分がよく使う薬くらいしか、添付文書を読まないでしょう。

新しい副作用情報が、ただちに全国津々浦々のクリニックにまで伝わることは現実にはありえません」(小野氏)

つまり、副作用情報をきちんと把握して薬を処方している医者は思いのほか少ないということ。だからこそ、私たち患者は自分自身で薬の副作用について知っておく必要があるのだ。

最終頁の表は、'16年に厚労省が改訂するように指示した「使用上の注意」と「重要な副作用等に関する情報」のうち、生活習慣病薬をはじめ、比較的多くの人にとって身近な薬の新情報を集めたものだ。