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【おバカ事件簿2016】店長が自分の店に強盗、引きこもってたら逮捕
もしかしたら他人事じゃない!?

「バカ事件」から社会や人間が見えてくる

2016年、相模原障害者施設殺傷事件や小金井シンガーソングライター刺傷事件をはじめとする凶悪かつ社会に大規模な影響を与える犯罪が多数起こりました。

これらの重大な犯罪は、現代の社会や人間のあり方が大きく反映されており、事件を考察することで現代日本の問題や歪みが浮き彫りになることから、多くの人が何度も検証し続けているわけです。

そういった大事件の影に隠れるかのように、とるに足らないような小さな事件は無数に起こり、その中には第一報で「何てバカな事件だ(笑)」と多くの人に笑われたきり続報も報道されず、詳細もわからないままになっている事件も多くあります。

それらの多くは詳細を報道する必要もない単にバカバカしいだけの事件、社会的に重要でない事件だったのかもしれません。

しかし、そこに社会の歪みや人間という存在が抱えている本質的な問題が投影されてないと言い切れるでしょうか?

そういったバカバカしいだけに見える犯罪を考えることで、社会や人間のことが見えてくるかもしれない。そういう視点から、いくつかの小さな事件を考えていこうと思います。

立川ボーガン男立てこもり事件

2016年は立てこもり事件が頻繁に起こった年でした。

立てこもり事件というのは、多くが人質を連れて立てこもるため、人質の生命の安全を第一に考えて慎重に行動せざるを得ず、解決までに時間もかかるし、最終的には強行突入も考えられることもあり、警察の側にも極度の緊張感が走るタイプの事件です。

そんな中で9月16日に起きた『立川ボーガン男立てこもり事件』は立てこもり事件の中では異彩を放っていました。犯人が立てこもったのはアパートの自室、それも自分1人だけで。

 

「前日から息子と携帯で連絡がとれない。アパートにいったところ、中からチェーンロックがかけられている」

容疑者の両親からの通報を受けた警察がチェーンを切り室内に入ったところ、中にいた容疑者がボーガンを構えて警官の侵入を拒否。およそ30人で取り囲み、約2時間半後、突入した警官によって逮捕。容疑はボーガンを警官に向けたことによる公務執行妨害です。

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両親は容疑者(29才・男性)が仕事が見つからず悩んでいたと語っていたそうです。

非常に謎に満ちた事件です。両親はおそらく就職に悩む容疑者が自殺した、あるいは自殺するのではないかと恐れて警察に通報したのでしょう。目的は本人の保護です。

容疑者の立場から考えれば、単に「就職の話をしてくる両親と話したくないし、会いたくない」、それぐらいの出来事だったのかもしれません。

私だったら、ただでさえ仕事がなくて困って落ち込んでくる時に親の叱責とか、本当に嫌だから受けたくないと思うので、そうであったとしても自然なことのように思われます。

警察は逮捕後、「容疑者がボーガンの練習をしていた」「ナイフも所持していた 」と容疑者が何らかの犯罪を企てていたかのようにミスリードするのが目的であるようにもとれる発表をするですが、結局その後続報はありません。