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企業・経営 週刊現代
資源高でウハウハ!?三菱に三井...商社に「完全復活」の兆し
各社がトップ争い…勝つのはどこ?

利益が「4倍」になる

「どん底まで落ちていた資源価格がここへきて急回復してきたことを受けて、『資源不況』で赤字を垂れ流してきた大手商社のV字回復が見えてきました。

実際、私が'17年3月期決算を試算してみたところ、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅の5大商社の経常利益は、'16年3月期の『4倍以上』に急拡大するとの結果が出た。'17年春の決算発表シーズンには、幹部たちが笑顔で会見する『商社復活劇』を目の当たりにするでしょう」(ちばぎん証券顧問の安藤富士男氏)

資源に泣いていた大手商社が、今度は資源で笑う―。

中でも、いま一番笑いが止まらないのが三菱商事である。

数多くある資源の中で、ここのところ最も急激に高騰しているのが鉄鋼の原料として使われる原料炭。'16年の夏場には1t=90ドルほどだったのが、直近で300ドル近くと「3倍以上」に急上昇している。QUICK企業価値研究所チーフストラテジストの堀内敏成氏が言う。

「中国が原料炭の生産規制を打ち出したことで価格が急騰している形で、三菱商事にとっては大きな恩恵になります。というのも、三菱商事は豪州でBHPビリトンという世界最大級の鉱山会社と合弁で原料炭事業を展開していて、その年間生産量は6600万tと世界トップクラスです。

会社側は公表していませんが、原料炭が1tあたり1ドル値上がりすると、三菱商事の通期の純利益は20億~25億円ほど増えるとされる。仮に原料炭が100ドルから300ドルに上がれば、単純計算で年間4000億円超の利益が上積みになる。

実際、三菱商事は'16年11月に、資源部門の純利益を期初予想の100億円から1060億円に大幅上方修正しましたが、今後、上方修正の額はさらに大きくなる可能性があります」

 

価格が下がれば数千億円規模の巨額減損を強いられる一方で、価格が上がればその分利益が膨らむところが資源ビジネスの醍醐味。

原料炭のみならず、白金(プラチナ)価格の上昇もまた、三菱商事には利益貢献度大となりそうだ。コモディティーインテリジェンス代表取締役社長の近藤雅世氏が指摘する。

「白金価格は下がり続けていたのが、'17年にかけて反動高の期待感が高まってきました。自動車触媒用などの需要が豊富なのに供給不足が続いており、いつ価格上昇の局面が来てもおかしくない。その白金の現物取引では、三菱商事が断トツ。当然、利益に直結します」

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トップに立つのはどこだ

これまで「お荷物」だった資源部門がエースに返り咲く勢いだが、資源高の果実を得られるのは三菱商事に限らない。

鉄鉱石の価格上昇も始まっているが、これに大喜びしているのが三井物産の「資源マン」たちである。