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嗚呼、斜陽業界…アパレル、百貨店に銀行、次に消えるのはどこだ?
激化するサバイバル競争
週刊現代 プロフィール

ビジネスモデルの崩壊

女子大生のファッションが様変わりした――。こう話すのは、神戸大学大学院准教授(経営学)の保田隆明氏である。

「かつての女子大生は有名ブランドのバッグや靴を身に着けている人も多かったのですが、今はそういう学生をキャンパスで見かけることはありません。逆にスニーカーを履いてリュックを背負っているようなスタイルの女子大生をよく見ます。

彼女たちはユニクロさえ買おうとしません。最近の商品は品質が高く長持ちするので、新しく買い換えようという気持ちにならないのです」

ファッショントレンドに敏感とされる女子大生でさえ、洋服を買わないのだ。アパレル業界の先行きは視界不良と言わざるをえない。

 

たとえばユニクロは、これまで革新的な商品を発表することで、消費者の支持を集めてきた。フリースしかり、ヒートテックしかり。

しかし、最近のユニクロでは、残念ながらそうしたイノベーションが生まれていない。

流通専門誌『2020ValueCreator』編集長の田口香世氏はこう指摘する。

「もちろんユニクロも既存品の機能性を高めるなど、品質向上に努めていますが、それだけでは改めてその商品を買おうという気分に消費者はなりません。

売り上げを維持するために値上げをして、その結果、業績が悪化すると、価格を元に戻すなど、価格操作でなんとか対応していますが、価格は売れない原因の一部ではあっても大きな原因ではありません。

本当の原因は、顧客が欲しがる製品を開発できていないことなのです」

Photo by GettyIm

大手アパレルの衣類は百貨店を中心に販売されているが、それらの販売も冴えない。

「どの百貨店に行っても、『金太郎飴』のように同じような商品が売られています。婦人服売り場だけを見て、どこの百貨店か聞かれても答えられる人は少ないはず。

漫然と同じようなブランドの服を売っているから百貨店ごとの特徴が出ない。アパレルも百貨店もマンネリ化していて、古い体質から脱皮できていない業界なのです」(田口氏)

百貨店は'15年以降、中国人を中心とした「爆買い」の恩恵を受けたが、その勢いはすでに失われた。外国人観光客向けに改装したフロアでは閑古鳥が鳴き、日本人に見向きもされない。

ネット通販の環境が整ったことで、多くの顧客は百貨店を離れ、ネットで買い物をする時代になったのだ。

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