金融・投資・マーケット
嗚呼、斜陽業界…アパレル、百貨店に銀行、次に消えるのはどこだ?
激化するサバイバル競争
週刊現代 プロフィール

テレビ局、メガバンクも例外ではない

テレビ局も、時代の変化で逆風にさらされている。元フジテレビ社員で筑紫女学園大学教授の吉野嘉高氏は、古巣の'17年を心配する。

「たとえば、古舘伊知郎さんが気になる世相を紹介する『フルタチさん』は視聴率が低迷していますが、フジテレビの最近の悪いクセが出ています。フジでは誰をキャスティングするのか、司会は誰なのかという『WHO』で決める傾向にあるのですが、今の番組作りに必要なのは、それより『WHAT』。

つまり、世の中は何を求めているのかを精査して番組を作り込むことが重要です」

他局も盤石ではない。スポンサーを集めて、その顔色を窺いながら番組を作るというビジネスモデルが、もはや崩壊寸前だからだ。

「娯楽の王様が地上波テレビだった時代は終わりました。スマホで無料動画が見られるし、面白いものがたくさんある。無料で見られるインターネットテレビが、放送業界の大きな流れになると思います。

スポンサーへの配慮が求められる広告モデルを脱して、おカネを払ってでも見たい番組を作るコンテンツメーカーだけが生き残る。'17年はその元年になるでしょう」(百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏)

日本経済の中枢に君臨してきた銀行も利ザヤと手数料だけで食っていける時代は終わった。メガバンクも例外ではない。

「すでに民間から資金を集めて、成長性を見込める産業に貸し出すという、これまでの銀行のビジネスモデルは成り立たなくなってきています。縮小する日本社会で有望な融資先は少なく、あれだけの規模で資金を持っていても何の役にも立ちません」(鈴木氏)

そのうえ、金融と技術を融合させたフィンテックの普及で銀行員の仕事は減っていく。

「AI(人工知能)による資産運用なども増えていくので、必要となる銀行員は減っていきます。大規模な融資案件を判断できる、一握りの優秀なバンカーが必要とされるだけ。

ネットバンキングが当たり前になると、窓口業務も減っていくので、大多数の銀行員は必要なくなります。最大の問題は今後、人員整理をどのように行っていくかでしょう」(前出・保田氏)

'17年は、斜陽業界内での生き残りを懸けたサバイバルが、さらに激化していきそうだ。

「週刊現代」2016年12月31日・1月7日合併号より