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老後破産を防ぐには、やっぱりアレを使うのが一番です!
「なんとかなる」は大間違い

年金だけではとても暮らせない

漠然とした老後生活への不安はあるものの、あなたが今、月給や賞与があり、普通にキャッシュフローが回っている会社員だとしたら、定年退職後の生活についてなかなかイメージしにくいかもしれない。

特に「何とかなる」と思いがちのバブル世代は、年金だけで暮らせるのか、暮らせないのか、などといったことを深く考えたことがない人が多いのが現状だ。しかし、現実にせまる老後生活はかなり厳しい状態になると予想できる。

まずは「年金収入だけでは暮らせない」ということを肝に銘じておこう。総務省の家計調査データ(2015年)では、高齢で無職の夫婦2人世帯の平均年収は256万円、一方、年間支出は331万円。年間収支はマイナス75万円となっている。

 

年におよそ75万円の赤字は、現役時代に貯めたお金や退職金など老後資金を取り崩しながら生活しているのが実態なのだ。

さらに衝撃なのは年金の手取り額は年々減っているということ。

図2(下)は、年金収入が厚生年金と企業年金(退職金の分割受け取り)の合計で300万円ある人の手取り額を試算したグラフだ。手取り収入は「額面の収入-(社会保険料+所得税・住民税)」で求める。

額面の年金収入が300万円の手取り収入は、1999年には290万円あったのが2016年は257万円だった。なんと、17年間で33万円も減っている(妻が基礎年金のみの専業主婦で東京23区在住のケース)。1割以上の減少だ。

「1999年」と比較しているのは理由がある。2000年に公的介護保険が導入されることが決まったとき、今後、介護保険料がかかると手取り額はどのくらい減るのだろうと思い、導入直前の1999年分の計算をしておいた。

ところがその後、予想していなかった高齢者向けの制度改正が次々と実施され、年金の手取りは毎年のように減り続けることになった。

 

1999年は、国民年金保険料が10万円程度で、所得税と住民税はかからず、手取り額は約290万円だった。今年の試算をしてみると、所得税・住民税が約13万円、国民健康保険料・介護保険料が約30万円かかり、手取りは約257万円となった。

公的年金は、制度存続のために導入された「マクロ経済スライド」により、将来にわたって年金額が減少していくことが予想される。また国や自治体の財政や少子高齢化を考えると、高齢者も税金や社会保険料の負担が増えることは避けられないだろう。

年金の支給額が減り、税金・社会保険料が増えるということは、年金の手取り額が減るということだ。厳しい現実であるが、年金生活を迎える前に知っておきたいことのひとつである。