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不正・事件・犯罪 中国
北京2200万市民が習近平政権に激怒した、あまりに悲惨な事件
これは、天安門以来の悲劇だ

警察が殴る蹴るの激しい暴行

年末の北京で、2200万市民の怒りが炸裂している。その理由は2つある。

一つは、「雷洋事件」に関することである。

雷洋(レイ・ヤン)氏は、湖南省出身の28歳。北京4大名門大学の一角、中国人民大学の環境学部で学士と修士を取得後、中国循環経済協会に勤めていた。結婚して娘が生まれたばかりだった。

2016年5月7日土曜日の夜9時頃、雷洋氏は、北京市昌平区の自宅を出て、竜錦三街の路上を歩いていた。この日の晩は、湖南省から親族が、夜11時頃に北京に到着する予定だったため、北京首都国際空港まで迎えに行ったのだ。

そんな雷洋氏は突如、竜錦三街の路上で警官に呼び止められた。

「お前はたったいま、そこのフットマッサージ店で、違法の買春行為をやっただろう。5000元(約8万3000円)の罰金を払え!」

「はっ? 何の事ですか?」

まったく身に覚えのない雷洋氏は、「自分は親族を迎えに行くため、先ほど家を出て空港へ向かうところです」と説明した。だが、地元の東小口派出所の邢邢永瑞副所長、孔磊、周晶、孫東飛、張英勲の計5人の警官は、雷洋氏を取り囲んで、「直ちにカネを払え!」の一点張り。しまいに雷洋氏に手錠をかけ、パトカーに乗せて路地裏へ連れて行き、5人で殴る蹴るの激しい暴行を加えたのだった。

雷洋氏がぐったり動かくなり、横たわっても、30分も放っておいた。その後、救急車を呼んで中西医結合病院に運んだ時には、雷洋氏は息絶えていた。

深夜の1時になって、警察は雷洋夫人に連絡し、東小口派出所まで来るよう告げた。夫人が1時半頃、派出所へ行くと、警察は、「買春をした雷洋を呼び止めて訊問していたら、突然発作を起こして倒れて死んだ」と説明した。夫人が必死に遺体の返還を要求すると、明け方の4時半になって、ようやく遺体に面会させた。遺体には全身に殴打を受けた痕跡が残っていた。

だが、中国中央テレビ、北京テレビ、その他中国メディアはすべて、中国共産党中央宣伝部からの圧力を受けて、警察側の主張だけを一方的に報じた。そのため雷洋氏は、買春したあげく、恥ずかしくて自殺したかのような印象を与えた。

 

北京の心ある弁護士たちが、弁護団を結成しようと起ち上がったが、すぐに当局に解散させられた。また、真実を知る少数の人々が、断片的に事実を、次々にネット上にアップしたが、すぐにネット警察によって「秒删」(ミャオシャン=1秒で削除されるという流行語)された。

怒り心頭のインテリたち

12月23日、北京市豊台区人民検察院は、邢副所長、孔、周、孫、張の計5人の警官を、不起訴処分とした。「軽微な法にしか触れておらず、起訴するにあたらない」というのだ。

この判決に、北京のインテリたちの堪忍袋の緒が切れた。私のところにも、「微信」(ウェイシン=WeChat)で、彼らの怒りの一端が転送されてきた。その一部を紹介しよう。

〈 習近平主席は、「社会主義の核心価値観」の12の標語で、「民主」「自由」「平等」「公正」「法治」を謳っているではないか。この国に法治はないのか! 〉

〈 習近平主席が2013年2月23日に開いた党中央政治局第4回集団学習会のテーマは、「法治国家・法治政府・法治社会の一体建設」だった。われわれ共産党員も必死で、この時の習近平講話を学習させられたというのに、現実は一体どうなっているのだ! 〉

〈 2014年10月20日から23日まで、習近平主席が主催して開いた「4中全会」(中国共産党第18期中央委員会第4回全体会議)が決議したのは、「中国共産党が全面的に法治国家作りを推進する若干の重大な問題の決定」だった。つまり法治国家を建設するということだ。それがこの様とは! 〉

これらの意見は、限られたSNSの仲間同士の発言である。だが、当局に臆することなく、実名で堂々と発言するインテリも現れた。私がネット上で見つけた(すぐに「秒删」されたが)のは、独立系の映画監督、瀋勇平氏の発言である。