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2017年の世界経済を読み解くカギは「政治」にアリ!

重大な政治イベントが目白押し

11月8日の米国大統領選挙後、トランプ氏が主張する財政出動、規制緩和、減税などの経済政策=トランプノミクスへの期待主導で米国を中心に株式市場は上昇し、為替相場ではドル高が進んできた。

米国の株式市場ではニューヨークダウ工業株30種平均株価が節目の20,000ドルをつけるかどうかで投資家が一喜一憂する状況が続いている。

トランプノミクスへの期待に支えられた株価などの上昇は今後も続くだろうか。

この問題を考える際、2017年の世界経済が政治に影響されやすいことを認識しておく必要がある。

トランプ次期政権下での米国の政治動向に加え、欧州では独仏蘭で総選挙などの重大イベントが予定されている。各国の政治動向によっては金融市場にショックが伝わり、リスクオフが進む展開も否定できない。

米国経済への期待から株式市場やドルの上昇が続くと考える投資家は増えているようだが、世界経済の動向は慎重にみていくべきだろう。

 

2017年は“政治の年”になる?

2017年、世界経済は政治の年を迎える。

1月20日、米国ではトランプ氏が正式に大統領に就任し、予算の編成や債務上限の引き上げなど、議会との交渉が進む。トランプ氏は財政出動を重視しており、インフラ投資を進めることで米国の経済成長率を2%程度から4%程度に引き上げると主張してきた。これは、同氏が“大きな政府”を目指していることを示している。

一方、上下両院で過半数の議席を確保した共和党は、伝統的に小さな政府を重視している。政治家としての実務経験に乏しいトランプ氏が円滑に議会との交渉をまとめ、政策を運営できるかは、まさに未知数だ。交渉がうまく進まないと、同氏が主張してきた政策が実現困難になるかもしれない。

そうした見方が広まると、大統領選挙後の株高などを支えてきた期待は剥落するはずだ。トランプ相場と呼ばれる株高やドル高は、実際の政策ではなく期待だけに先導されていることは冷静に認識すべきだ。

また、4~5月にかけてフランスでは大統領選挙が実施される。現在、選挙は決選投票にもつれ込み、極右政党である国民戦線のル・ペン党首と右派陣営のフィヨン元首相の一騎打ちになる可能性が高いとみられる。両候補とも反移民の考えを重視していることには注意が必要だ。

国民戦線のル・ペン党首〔PHOTO〕gettyimages

多くの政治アナリストらがル・ペン党首の当選確率は低いと考えているようだが、米国の大統領選挙のように、結果は見てみなければわからない。

もし、極右政党の党首がフランスの大統領に就任すると、EU離脱を問う国民投票の実施機運は急速に高まるだろう。その結果、他の加盟国でも自国優先の政治を求める世論が高まり、ドミノ倒しのようにEU離脱を求める世論が欧州全域に広がる恐れがある。

こうしたシナリオは発生する確率が低い“テールリスク”と見なされがちだ。しかし、現実の問題として英国が移民・難民の排除を優先してEU離脱を決定したことを踏まえると、フランスなどの政治リスクをきっかけに、EU分裂への懸念が高まる展開は排除できない。

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