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安倍・プーチン間で交わされた「密約」~「進展なし」は本当か?
採用される「沖縄返還方式」

メディアはどこも情報をつかめていない

今週初めの12月19日昼、英紙フィナンシャル・タイムズ、ザ・タイムズと仏紙フィガロの東京特派員とランチを一緒した。当然、話題は先週の日露首脳会談。そして筆者は、自分の取材を基にした分析を披瀝したところ、彼らは一様に否定的な感想を述べた。

筆者の分析は以下のようなものであった。

新聞各紙(17日付朝刊)の一面トップの大見出しが、『朝日新聞』の「北方四島で共同経済活動――日ロ 協議入り合意、領土交渉進展なし」と『読売新聞』の「北方4島 共同経済活動――平和条約へ“一歩”、領土進展みられず」を含めてほぼ同じであったのは、どのメディアも15日夜の4時間超に及んだ日露首脳会談中の1時間35分の安倍晋三首相とプーチン大統領のテ・タテ会談(日露双方の通訳のみ同席)の内容を掴むことができなかったからだと解説した。

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その上で、メディア各社はそのテ・タテ会談後の安倍首相のぶら下がり会見20分と、翌日16日に山口県長門市の温泉旅館「大谷山荘」から東京・永田町の首相官邸に場所を移して行われた安倍・プーチン会談後の両首脳による共同記者会見(文書交換式を含めて)25分、さらに官邸や外務省周辺取材で書いている。

したがって、取材対象がほぼ同じなので、『朝日』『毎日』『読売』『産経』などリベラル系から保守系まで「領土進展なし」で一致するのだ、と説明した。

焦点の領土交渉報道では、『日本経済新聞』(同)の見出しだけが「日ロ共同経済活動で合意――四島に“特別な制度”検討、領土帰属進展せず」として「帰属」という言葉を入れていた。これがポイントの一つである。

では、「進展」があったのか? と問われそうだが、実はそれなりの感触を、安倍首相はプーチン大統領との95分間の差しの会談で得たのはほぼ間違いない。

 

まず、これまた『日経新聞』(20日付朝刊)だけが指摘している15日の首脳会談後の「バーでの懇談」である。

同紙は「地元・山口での首脳会談後、首相は会談場所の温泉旅館内のバーで岸田文雄外相や世耕弘成経済産業相らにつぶやいた。『いろいろ批判はあるかもしれない。私がしっかり説明していく』自らに言い聞かせるようにこうも語った」と報じている。

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