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台湾
トランプとの電撃対談も焼け石に水!? 急失速した蔡英文政権の行方
2017年、台湾はどうなる?

雪崩式の支持率下落

2年目に入る台湾の蔡英文・民進党政権にとって、2017年は正念場の一年になる。というのも、2016年は、お世辞にも、ロケットスタートとは言えなかった。むしろ、「ジェットコースター式の(支持率の)墜落」とも揶揄されるほどの失速ぶりである。

日本では、今年1月に選挙で圧勝し、5月に就任した蔡英文総統に対する期待がかなり高いので、あまり伝わっていない部分があるが、最大の理由は、人事のつまずき、そして、政策の遂行におけるもたつきが評判を落とした。

まず、満を持して起用した、首相にあたる行政院長の林全氏の評判があまり芳しくない。学者出身で、対応があまりに手堅すぎて、最大の任務である行政官庁同士の調整役を果たせず、各方面からの不満が広がった。

ほかでも、政府のスポークスマンや、官房長官に近い職責を持っている総統府秘書長などが相次いで辞任するなど、蔡英文総統の「人を見る目」に疑問が広がっている。

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特に問題なのは、蔡英文総統自身、ポピュリズム的政治が日常化している台湾の政治家にとってもっとも大事な大衆とのコミュニケーションを必ずしも上手に行えていない印象がぬぐえないところだ。

また、蔡英文総統を支えるべき民進党の立法委員も、かなり総統の意向とかけ離れた言動を繰り返すなど、蔡英文総統が民進党全体をコントロールしているように見えていない。

支持率は当初の70%台から徐々に下がり、5割を切るところまで落ち込んだ。口の悪い台湾メディアは「雪崩式」「ジェットコースター」などと厳しい言葉でこの失速ぶりを呼んでいる。

12月20日、どちらかというと民進党寄りのシンクタンク「新台湾国策智庫」が台湾の有力政治家に対する有権者の「満足度」を調べて発表したところ、台湾の六大都市とされる台北、高雄などの市長も含めた数値のなかで、すべての市長よりも低い結果となった。

具体的には、最も満足度が高かったのは高雄の陳菊市長で71.3%、続いて台南市の頼清徳市長で67.8%。どちらも民進党の市長であるが、これに比べて、蔡英文総統は40.4%という低さだった。一方、前述の林全・行政院長は21.5%にまで落ち込んでいる。