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Google翻訳が「海外出張で使えるレベル」に進化した理由

ディープラーニングの統計学的解釈

「Google翻訳」の性能が、先月のリニューアルに伴い、著しく向上したと評判になっている。それまでは外国語での短い挨拶や極めて単純な日常会話などには対応できたが、たとえばビジネスに使うための、少し長めで複雑な文章になると歯が立たなかった。

ビジネスにも使えるか?

リニューアル後はこの問題がかなり解消され、ある程度、複雑な文章も相応に訳せるようになってきた。特にスマートフォンから音声入力モードで使うと、その便利さが実感できる(翻訳結果も音声出力される)。以下は試しに筆者が入力してみた日本語文章と、それらをGoogle翻訳が英訳した結果である。

為替レートが1円、円高になると、私の会社は100億円の損失を出します。
⇒ If the exchange rate gets higher by 1 yen, my company will lose 10 billion yen.

あの会社は取引先として信用できますか?
⇒ Can that company be trusted as a business partner?

空港から御社に行くには地下鉄がいいですか、それともタクシーの方がいいですか?
⇒ Is it better for the subway or taxi to go from the airport to your company?

以上の英訳文は厳密には、あるいは文法的には間違っているかもしれないが、意味は何とか相手に通じそうだ。次に英語から日本語への翻訳もやってみた。

If you want to accomplish this work as soon as possible, you need to read these two manuals.
⇒ できるだけ早くこの作業を行うには、これら2つのマニュアルを読む必要があります。

What I was trying to say was that he would have to complete this report by tomorrow.
⇒ 私が言っていることは、彼が明日までにこの報告書を完成させなければならないということでした。

If you can not borrow money from me, how do you live from tomorrow?
⇒ あなたが私からお金を借りることができないなら、あなたは明日からどのように住んでいますか?

3番目のケースは明らかに誤訳である。正しくは「・・・明日から、どのように生きていくのですか?」。他の英・和文でも試してみたが、いずれの翻訳も概ね同じレベルだ。ただGoogle翻訳は世界中のユーザーによる使用データを機械学習して日々進化しているので、後で改めて同じ原文で試してみれば、以上とはかなり違う翻訳結果が表示されるかもしれない。

全体の感触としては、「海外出張したビジネス・パーソンが、かろうじて使えるかもしれない」といったレベルではないだろうか。それでも過去のGoogle翻訳に比べると、確かに大きく改善したという印象を受けた。

ただし、気になるのは翻訳の質よりも、インターフェース、つまり使い勝手の方だ。たとえばスマホに向かって文章を入力している途中で言い淀んで、「あー」とか「えー」とか言っているうちに、Google翻訳の方では勝手に見限って処理を始めてしまう。

それと見ていて面白いのは、スマホの画面に推敲中の翻訳文が次々と表示されることだ。語順を入れ替えたかと思えば、違う単語を出してみたり、さっきまでとは全く別の訳文が表示されたりする。「こうしようか、ああしようか」と人工知能が試行錯誤している様子が窺えるのだ。

 
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