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格差・貧困 ライフ
渋谷駅前ブルセラショップで見た「女同士のマウンティング」の実態
オンナの収支報告書

鈴木涼美さんが「オンナのオカネの稼ぎ方・使い方」を考察する本連載。鈴木さん自身が女子高生時代に体験した「生脱ぎブルセラ」アルバイトで見た、オンナ同士の「マウンティング」の実態をお届けします。

(*バックナンバーはこちら http://gendai.ismedia.jp/list/author/suzumisuzuki

対照的な美人JK

店の常連の女子高生に、ミハルさんとユキさんという象徴的なふたりがいた。ふたりとも私や前々回紹介したアユミのひとつ年上である。

ミハルさんは校則の厳しい渋谷区の女子校に通っている色白黒髪で線の細い女の子で、ファンデーションと眉毛以外はあまり化粧っけがなく、セーラー服に黒タイツやピタックス(ルーズソックスではない白のピタッとした靴下のこと)を合わせていた。

ユキさんは通信制の高校に通いながら歳をごまかして深夜キャバクラで働いたり、お見合いパブに出入りしているガングロギャルで、髪の毛は白に近い金髪だった。タイプは違えどふたりとも店の中では周囲をはらう美人だった。

女子高生たちがそこに集まればそこには当然、序列、ヒエラルキー、今風にならマウンティング、言い方は何でもいいが、威張る人と肩身の狭い人、尊敬される人と馬鹿にされがちな人というのができる。

そこに、鏡の向こうからとはいえオカネという評価をもって男の視線が参加することで、その序列は複雑化する。

 

学年や入社年次ならぬ入店年次の序列が当然表面にあった上で、女子たちは通常の学校やバイト先と同じように経験豊富で美しく「イケてる」者を上とする序列、店独自の客受け、つまり売上が高い者を良しとする序列に引き裂かれていた。ユキさんはいわば前者の頂点におり、ミハルさんは後者の頂点にいた。

当時、客受けしていた、つまりよく番号を呼ばれて安定的にオカネを稼いでいたのは、黒髪や焦げ茶髪で色白、いわゆるスレッカラシの雰囲気のない女の子である。

イメージ的には『BOYS BE…』の表紙の女の子や学園ドラマでソフトテニス部に入っていそうな女の子で、スタイルがよく巨乳だったり顔が可愛かったりすればなお良い。ミハルさんはそれらを兼ね揃えており、売れっ子であった。

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反対に、客受けがわるかったのはヤマンバギャルやヤンキーの女の子である。今でこそ「ギャル系」というのはある種の人々に郷愁を起こさせるのか、AVのジャンルなどで一定の需要を獲得しているが、当時は色が黒かったり金髪だったりするとよほどのマニア以外にはうけが悪かった。

対して、当然女子たちに人気があったり一目置かれていたりするのは当時時代を席巻していたギャルであって、ある意味黒ければ黒いほど敬意をもたれる時代でもあった。

ユキさんは有名な女子高生サークルのメンバーでもあり、女の子たちからのあこがれの的であり、客受けはまったくしない非・売れっ子であった。