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なぜSMAPだけが「国民的アイドル」になれたのか?

「異端」だった平成の象徴

「SMAP解散」はなぜこれほどまでに大きなニュースとなったのか。なぜ彼らだけが「国民的アイドル」となりえたのか。話題の新刊『ヒットの崩壊』(講談社現代新書)著者で音楽ジャーナリストの柴那典が綴るSMAPと「時代の終わり」——。

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『いいとも!』とSMAPの「終わり方」

「ゴールのないところで終わらなければいけない。こんなに残酷なことがあるのかな……」

そう中居正広は声を詰まらせた。そして、香取慎吾はこう言って、まるで子供のように泣きじゃくった。

「そもそも、なんで終わるんですか?」

2014年3月31日。『笑っていいとも!』の最終回スペシャル『グランドフィナーレ 感謝の超特大号』での一場面だ。大物芸能人が一堂に会したあの番組が映し出したのは、いわば、一つの「時代の終わり」だった。

30年以上にわたって偉大なるマンネリを守り続けた『いいとも!』は、いつの間にか、多くの人達にとって当たり前の日常の象徴となっていた。だから番組終了に際して喪失感を抱いた人がとても多かったのだと、筆者は考えている。

SMAPが2016年内をもって解散するということが発表されたときに、真っ先に思い当たったのはそのことだった。

そして、メンバー全員が揃う唯一のレギュラー番組として20年間続いてきた『SMAP×SMAP』の看板コーナー「ビストロスマップ」の最後のゲストとしてタモリが登場したことで、二つの「終わり」を改めて重ね合わせた人も多かったのではないだろうか。

しかし、『いいとも!』とSMAPの「終わり方」は対照的だ。

タモリは、「また明日も見てくれるかな?」「いいとも!」というお決まりのやり取りを最後に、32年続いた番組のグランドフィナーレを軽やかに締めくくってみせた。

その番組内のスピーチで中居正広が語っていたのが、冒頭に引用した一節だ。ドラマや映画にはクランクアップがあり、ステージには千秋楽がある。ゴールを目指して進むことができる。しかしバラエティは「終わらないこと」を目指さないといけないジャンルだと、中居は語っていた。だからとても残酷だし、覚悟を持たないといけない、と。

その言葉を踏まえて考えると、SMAPの解散発表時の、中居の「申し訳…ありませんでした…」というコメントには、とても重いものを感じてしまう。25周年という華々しいアニバーサリーイヤーを迎えた2016年に、彼らが直面したのは騒動と憶測の嵐だった。