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EU

「EU離脱」国民投票から半年のイギリスでいま起きていること

【現地リポート】迷える伝統国家の行方

2016年前半、欧州のみならず世界中を驚かせたのが、英国で行われた欧州連合(EU)に加盟し続けるか離脱するかの国民投票だった。

大方の予想を裏切り、英国民はEUからの離脱、すなわち「ブレグジット」(Brexit)を選択したからだ。離脱のための交渉は来春開始予定だ。

この半年で何がどう変わったのか。これからどこへ向かおうとしているのか。激動の過渡期にある英国からリポートする。

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激動の政治、新顔が続々

最も目立つ変化は政権交代だ。

2015年5月の総選挙で野党・労働党に約100議席の差をつけた保守党は、18年ぶりに単独政権を成立させる。これが国民投票への現実的な道筋をつけた。

というのも、その2年前にキャメロン首相(当時)はEUへの猜疑心が強い党内右派を一掃する目的もあって、「次の総選挙で単独政権が取れたら、2017年以内に加盟残留か離脱かを問う国民投票を行う」と宣言していたからだ。

 

当時は自由民主党との連立政権だったが、2年後、思いがけず保守党は圧勝してしまう。EUからの脱退を長年主張してきた英国独立党が保守党の支持を奪うのではという懸念もあって、前倒しで実行されたのが6月23日の国民投票だった。

残留派運動を指揮したキャメロン氏は、国民投票の結果が出ると間もなくして辞意を表明する。

代わって首相に就任したのが元内相で残留派のテリーザ・メイ氏。英国では2人目の女性宰相だ。

当初、キャメロン氏を継ぐ次の首相候補として最も有力視されていたのは、元ロンドン市長のボリス・ジョンソン氏だった。離脱派運動を主導した彼がいなかったら、ブレグジットは実現していなかったかもしれないとも言われる。

ボリス・ジョンソン氏〔PHOTO〕gettyimages

しかし、同じく離脱派陣営にいた腹心に裏切られ、党首選への立候補を断念。最終的には他の候補も党首選から脱落し、メイ元内相が保守党党首兼首相に就任したのが7月13日。キャメロン氏の辞任からわずか3週間後だった。

現在までにキャメロン氏は下院議員の職を返上し、政界から去った。首相候補の一人と目されたオズボーン財務相は下院の平議員となった。

メイ首相は離脱派ジョンソン氏を外相に抜擢するとともに、ブレグジット担当省を新設し、党内右派のベテラン議員デービッド・デービス氏を担当大臣とした。

政権の顔ぶれはキャメロン時代とはすっかり様変わりしたと言えよう。