Photo by iStock
金融・投資・マーケット 経済・財政

トランプ大統領就任後のインフレ上昇にご注意を

12月13、14日、米連邦準備理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、0.25ポイントの利上げを決定した。同時に公表されたFOMCメンバーの政策金利見通しでは、2017年から2019年までの各年において、0.25ポイントずつ3回の利上げが予想されていることが示された。

FOMCを控え、多くの市場参加者が2017年の利上げ回数は2回と予想するものが多かった。そのためFOMCの決定に関して、「想定以上にタカ派」との見解が多い。

そのほかにもさまざまな見方があるが、今回の決定を市場参加者が予想しきれていなかったことは確かだ。依然、イエレン議長は慎重な姿勢を強調してはいるものの、参加者の金利見通し=ドッツ・プロットを見ると、想定以上に利上げが進む可能性も排除はできない。

FRBの政策は低金利維持からインフレ抑制へ

FOMCを控え、多くの市場参加者は12月に0.25ポイントの利上げを想定しつつも、今後については9月の金利予想から大きな変化はないと考えていた。

その理由は、来年1月20日のトランプ氏の大統領就任を待たなければ、インフラ投資などを軸とする“トランプノミクス”の実態がわからないからだ。また、11月の時間当たり平均賃金が前月からマイナス0.1%減となったことも、政策見通しに大きな変化はないとの判断根拠になったはずだ。

こうした見方に照らすと、予測の中央値でみた2017年の利上げ回数が9月の2回から3回に増えたことはサプライズだった。この結果を見た投資家やエコノミストは「想像以上にFRBはタカ派」と判断し、市場はドル買い、米国債売り(金利は上昇)に向かった。

中にはこうした動きは過剰反応だとみる専門家もいるようだが、予想と異なる結果を受けた見通しの修正や投資方針の練り直しは、当面続く可能性がある。

〔PHOTO〕gettyimages

特に投資家らにとって驚きだったのは、17人のFOMCメンバーのうち11人が2017年に3回の利上げを予想したことだろう。

これまで、多くのFRB関係者が依然として米金利には低金利環境が必要であること、利上げがドル高につながり米国経済を圧迫することに注意を喚起してきた。今回のFOMCの結果を見ると、メンバーの関心は低金利による景気下支えから、インフレの抑制に移りつつあると考えられる。

 

経済や市場のデータを見ると、徐々に、現実及び予想ベースの物価は上昇してきたことがわかる。FRBがインフレ動向を評価する際に重視する個人消費支出(PCE)は2%を下回ってはいるものの、1.7%を超える水準にまで緩やかに上昇している。

そして、大統領選挙後は、市場参加者が予想するインフレ率が急上昇し、過去2年程度の最高水準を更新した。こうした経済・市場動向とFOMCの内容を併せて考えると、FRB関係者はインフレ上昇の萌芽が膨らみつつあることを意識し始めているのだろう。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら