不正・事件・犯罪

【スクープ】大分県警「盗撮事件」の全真相

<前編>隠しカメラに写った男の正体

今年6月、参院選の公示前後に、大分県警別府署が野党の支援団体の敷地に隠しカメラを設置したという事件が発生した。地元紙がこのことを報じると、またたくまに全国に広まり、大分県警は批判にさらされた。

しかし――。

発生から半年が経とうとしているのに、大分県警は「なぜカメラを設置したのか」「誰が指示したのか」という重要な点について、十分な説明を行っていない。それどころか、現場の刑事官らに軽い処分を下し、「彼らが個人的に行ったことだ」と責任の所在をうやむやにして、幕引きを図ろうとしている。

ところが、ここに来て組織的関与を示唆する「決定的な証拠」が見つかった。ジャーナリスト・田中圭太郎氏の渾身のレポート。

草刈りで発見された2台のカメラ

参議院選挙公示後3日目の2016年6月24日早朝。連合大分東部地区協議会の矢須田士(やすだ・ものぶ)事務局長は、いつものように大分県別府市の「別府地区労働福祉会館」に出勤した。

労働福祉会館は民進党や社民党を支援する労働団体の地域拠点で、連合大分のほか、平和運動センターなどの支部も入居している。労働相談の受付窓口でもあり、多くの人が出入りする場所だ。

 

その前日、矢須田事務局長は隣接する授産施設「星座オリオン」にお願いして、敷地内で伸びきっていた草を刈ってもらっていた。朝一番にきれいに草が刈られているのを確認していると、木の根元から高さ1.5メートルくらいのところに、なにか括りつけられているのが目に入った。

「なんだ、これは…?

近づいてみると、それはカメラだった。

木に括りつけられたカメラ 労働福祉会館と駐車場を撮影していた

付けた覚えのないカメラに気を取られていると、授産施設の人が、こう言ってきた。

「いい監視カメラをつけているなあと話していたんですよ。ゴミの不法投棄の監視用ですか?」

この会館の敷地内に不法投棄をされることがよくあり、それに悩まされていたのは事実。だが、カメラをつけた覚えはなかった。

さらに周囲をよく見ると、不審なカメラは木の根元に、もう一台置かれていた。

木の根元に隠されていたカメラ レンズは労働福祉会館の玄関に向けられていた

どちらも草刈り前には完全に覆われていた場所。木に括りつけられたカメラは、ご丁寧に葉っぱを貼り付けてカモフラージュまでされている。

(これは盗撮だ。いったい誰が…?)

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