Photo by gettyimages
ライフ 鉄道
新宿駅の「工期」はサグラダ・ファミリアよりも長い!?
私たちは完成を見られるのか

21面のホームを持つ超巨大施設

サグラダ・ファミリアはスペインの建築家、アントニオ・ガウディの未完成建造物として名高い。着工は1882年。ガウディが仔細な設計図を残さなかったことや、弟子たちが作成した資料もスペイン内戦などで大部分が焼失してしまったため、わずかな資料を手がかりに現在も工事が続いている。

かつては完成まで300年かかると言われていたが3Dプリンターなどの技術の導入により、工期が一気に150年近く短縮され、ガウディ没後100年にあたる2026年には完成予定だと発表された。

ようやく完成の糸口が見えてきたサグラダ・ファミリアとは対照的に終わりの見えない工事が続いているのが、日本の新宿駅だ。

新宿駅は1885年(明治18年)に開業。着工は同年、もしくはその1年前とされており、サグラダ・ファミリアより2~3年遅い。

 

当時の新宿は、駅前に茶店や薪炭問屋が数軒あるほかは、建物がほとんどない田園地帯だった。そこに赤羽-品川間を結ぶ一日3往復の蒸気機関車が走っていたが、乗降客も50人程度しかおらず、列車の発着時間になっても駅は閑散としていたという。

そんな新宿駅が大きく発展する契機となったのが関東大震災だ。霞が関近辺の都心部は壊滅状態となったが、新宿を始めとする東京西部は地盤が固く、あまり被害を受けなかったため、多くの人が流入した。

それにつれて新宿から西に延びる中央線の通勤電車が増え、小田急線や京王線といったその他の郊外を結ぶ路線も乗り入れて1931年には乗降客数で日本一の駅となった。今や新宿駅は各鉄道会社あわせて21面のホームを持つ超巨大施設に成長している。

現在も新宿駅は2020年東京オリンピックに向け、東口と西口を繋ぐ新宿駅東西自由通路の工事が進行中だ。

また他にも駅ビルの超高層化や西武新宿線を乗り入れさせるプラットホームの建設など数々の構想があり、その工期がサグラダ・ファミリアを超えることはもはや確実。

新宿駅は未完成のまま、これからも発展していく。(井)

週刊現代』2016年12月24日号より