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米FRBが「タカ派」になる可能性にご用心

早期利上げを検討中

連邦準備理事会(FRB)関係者から、今後の利上げに関して前向きな発言が増えている。背景には、米国の経済指標が良好な内容を示していることに加え、先々の財政出動や減税による景気底上げへの期待がある。

大統領選挙以降、米国の株式市場は史上最高値を更新し、期待インフレ率も上昇している。米国の物価動向を取り巻く環境が大きく変化しており、それに伴いFRBは利上げのペースを速めることを真剣に検討しているようだ。

12月13日、14日の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げが確実視される中、金融市場では、来年以降の金融政策がどのように進むかに関心が集まっている。現状、市場参加者の間では、2017年6月、12月に2回の利上げが行われるとの予想が多い。

すでにイエレン議長は政策が後手に回るリスクは低下したと述べている。従来よりもFRBが利上げを進める可能性は高まっていると考える。

 

堅調な展開を続ける米国経済

2016年の年初以降、ドル高による企業収益の伸び悩み、原油価格の下落などを受けた設備投資の減少、新興国経済の混乱を受けて、米国の景気減速への懸念が高まった。6月には予想外に英国がEU離脱を決定し、世界の金融市場は株価急落などの大きな混乱に直面した。

こうした展開の中で、FRBは米国経済には低金利環境が必要であるとの見解を示すとともに、世界の金融情勢、大統領選挙にも配慮して政策金利を0.25%~0.50%で維持してきた。

そして、11月8日の米国大統領選挙にてトランプ大統領が当選して以降、今後の経済政策への期待から、米国を中心に金融市場の参加者は先行きに強気になっている。

加えて、米国の経済指標にも予想を上回るものが多い。ISM製造業、非製造業景況感指数ともに景気の強弱の境といわれる50を上回り、消費者心理も上向いている。労働市場も改善基調を維持している。

この状況下、FRB関係者からは利上げに関する発言が増えてきた。景気後退局面ではないため財政出動が必要な状況ではないとしながらも、シカゴ連銀のエバンス総裁やNY連銀のダドリー総裁は、物価目標や完全雇用の達成に自信を深め、利上げのペースが加速するだろうとの見方を示している。

こうした発言を受けて、市場参加者の利上げ予想も高まってきた。米国の金利先物市場では、13日、14日のFOMCで0.25ポイントの利上げが決定される確率が90%超に上昇し、利上げは確実視されている。

そして、12月のFOMCでは参加者による経済、金利の予想が公表される。ドル高、金利上昇の影響に配慮しつつ利上げのタイミング、回数がどう示されるかが、FOMCの重要なチェックポイントだ。

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