メディア・マスコミ エンタメ 現代新書
SMAP「夜空ノムコウ」は“ぼくたち”の歌だった
SMAPが「国民的アイドル」になるまで①

ジャニー喜多川が戦後すぐの日本にもたらし、54年の歳月をかけて築き上げたジャニーズ帝国。なぜ、日本人はこれほどまでに熱狂し、SMAPという「国民的アイドル」を生むまでにいたったのか? 新刊『ジャニーズと日本』(講談社現代新書)の中から、SMAPが「国民的アイドル」に至るまでの論考を特別公開!

 

国民的ヒットソング

SMAP初のミリオンセラーは、「夜空ノムコウ」(1998)。

この曲はやはり、SMAPのひとつの到達点だ。

この歌が流れた当時に中学生だった筆者(1983年生まれ)は、それまでのSMAPの曲に比べると、穏やかな曲調の「夜空ノムコウ」にはあまりピンとこなかった。

この曲が刺さったのはむしろ、筆者より一世代うえの人たちかもしれない。例えば、1970年生まれの音楽ジャーナリストの宇野維正は「夜空ノムコウ」について、次のように振り返っている。

「夜空ノムコウ」は単純に1998年を代表する一曲となったことにとどまらず、自分も含めた当時の20代の若者(特に同性)にとって、歌謡曲/アイドル・ソングが久々に自分たちの気持ちを代弁してくれたように思えた曲だった。あの頃、渋谷近辺のカフェや飲み屋で「SMAPの『夜空ノムコウ』、いい曲だよね」という会話を一体何人としたことだろう。(『1998年の宇多田ヒカル』新潮新書、2016)

「夜空ノムコウ」は、引用部にあるような、「当時の20代の若者」のどのような部分に響いたのだろうか。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら