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政治政策 国際・外交 アメリカ
トランプ経済で大打撃を受ける2つの国
通商・貿易政策を見ていくと…

TPP破棄の影響は?

最近、筆者も「トランプ大統領誕生が日本経済にどのような影響を与えるのか」という質問を受ける機会が多くなっているが、多くの人の関心は、保護貿易主義的なトランプ次期大統領の通商・貿易政策に向かっているようだ。

確かに大統領選後もトランプ大統領は、保護貿易的なスタンスを崩していない。TPPからの離脱に加え、メキシコからの不正移民に関してNAFTA見直しの主張も変えていない。

トランプ新大統領は、国内の経済政策については、比較的現実路線へ歩み寄る姿勢が見て取れる一方、外交・安全保障政策、及び、それと密接に関連する通商・貿易政策については、大統領選のときとあまり変わらず、「やんちゃぶり」を発揮し続けている。

だが、このうち、TPPはまだ発効されていないため、アメリカがTPP交渉から離脱したとしても、それで日本企業の業績が突然悪化するということにはならないだろうと考えている。

また、筆者は、トランプ大統領にとって、TPPを破棄するということは、「保護貿易に走る」というよりも、アメリカの世界貿易における重要性(TPP交渉では、参加国の貿易金額の約6割を占める)に見合った通商政策における交渉力を持つべきだという考えの表れではないかと考えている。

TPPのような多国間交渉では、アメリカは貿易量では全体の6割を占めるにもかかわらず、一参加国としての立場で参加せざるを得ないため、十分な交渉力を持つことができないところに不満を持っているのではなかろうか。そこで、二国間で個別に交渉を行い、アメリカに有利な協定を結ぶということを優先したいのだと考える。

つまり、政権発足後、日米貿易交渉を個別に行うということであろう。その際は、TPPの内容が交渉のベースになると思われるので、それほどかけ離れた内容になるとは思えない。むしろ、安倍内閣は、TPPを国内の規制緩和の起爆剤にしようと考えているだろうから、TPP交渉が日米の個別貿易交渉に振り替わるだけではないかと考えている。

そのため、筆者は現時点では、米国の対日貿易政策に関してはそれほど悲観視していない。

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