規制緩和・政策 政治政策

ギャンブル大国・日本で、カジノ導入に向けて絶対に不足しているもの

裏カジノ、グレー規制に踏み込めるのか

日本はすでに「ギャンブル大国」

統合型リゾート(IR)推進法案(カジノ法案)が衆議院本会議で可決され、参院での審議を経て成立する可能性が高くなった(7日夕方現在)。
 
推進する議連や誘致する自治体、カジノ関連企業などは、先送りされる公算が強いと目されていただけに歓迎しているが、マスメディアの多くが反対の論調。その理由のひとつが、ギャンブル依存症対策が不十分だというもの。「カジノ法案反対」が多い世論調査も、依存性への危惧が最大理由だ。
 
実際、日本のギャンブル依存症は少なくない。厚生労働省の発表では、日本でギャンブル依存症を疑われる患者数は、成人の4・8%、536万人にのぼる。オーストラリアが2%、米国1・6%、香港1・3%、フランス1・2%、他の韓国、カナダ、スイス、ニュージーランドなどが1%未満であることを考えれば異常に多い。
 
こうした状況を受けて、共産党など反対政党だけでなく与党のなかにもカジノ法案に反対する議員はいるし、例え法案が成立しても、第二段階として必要なカジノの設置基準や規制を盛り込んだ実施法案の過程で、相当に厳しい規制策が取られるか、対策のための論議が活発になることが予想される。
 
ただ、ここで考えなければならないのは、カジノがギャンブル依存性を誘引するものではないことだ。現段階で4・8%という数字が示すように、日本は公営ギャンブルやパチンコ・パチスロというグレーゾーンの遊戯を含め、ギャンブルがあまりに多く、それが管理されることなく放置されている。
 
ギャンブル依存症には、元患者やその家族などが支援団体を作り、依存からの脱却を支援しているものの、基本的にはボランティア活動であり、支援には限りがある。必要なのは、カジノ解禁を機に、国がギャンブル総体を、依存性対策を含めて積極的に管理することではないだろうか。
 
これほど日常的にギャンブルが認知され、公に開催、営業されている国はないだろう。中央競馬は土日に開催され、平日は地方の公営競馬が担い、競輪、競艇、オートは土日、平日に関係なく、365日、どこかで必ず開催されている。しかも場外の馬券、車券、舟券売り場があるので博打に苦労することがない。

駅前や繁華街、国道など主な街道沿いには、パチンコ・パチスロ店が開業。12時間営業で客を誘引。こちらの賭博性は公営ギャンブル以上で、数時間で5万、10万円のカネが失われる。明らかなギャンブルだが、三店方式で換金されるために、風営法の縛りを受けた遊戯という建前だ。
 
長引く不況の影響で、公営ギャンブルもパチンコ・パチスロも顧客の単価を落としているものの、パチンコ・パチスロが19兆円で公営ギャンブルが5兆円。認知されたギャンブルが、これだけの規模で行われているわけで、まさにギャンブル大国だ。

依存性患者が出ない方がおかしいが、その対策を担う役所はなく、競馬が農水省、競輪が経産省、パチンコ・パチスロが警察庁という縦割り行政のなか、天下り機関として共存共栄の関係にあるため、規制や対策よりむしろ奨励策が取られ、ギャンブル依存症に国民を誘引している。

それでもまだ刺激が足りない客のために用意されているのが、裏カジノである。こちらは完全な非合法だが、海外で勝負の早い、金額の大きいバカラなどを経験した小ガネ持ちや富裕層は、認可されたギャンブルでチマチマと遊ぶことでは満足できず、そこに暴力団と組んだ裏カジノ業者が場を提供する。

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