潜在患者は1400万人!糖尿病・心筋梗塞にならないための食事法

「血糖値スパイク」を防ごう

やせている人でもなる

昼食後、デスクに向かって仕事をしていると、あるいはぼんやりテレビを見ていると、急に強烈な眠気を感じることはないだろうか。だるくなったり、イライラしたり、集中力が失われる。食べてもまたすぐに空腹感を覚えることもある。そういう人は血糖値の異常を疑ったほうがいいかもしれない。

健康診断の血液検査で血糖値の項目は必ず入っている。この値が高いと糖尿病の可能性が高くなるとされ、医者に注意を促されるが、実は健康診断では発見できない「隠れた異常」が現代日本人に蔓延していることがわかってきた。

それが「血糖値スパイク」だ。これは、食後の短時間に限って血糖値が急上昇し、またすぐに急降下するというもの(下図参照)。空腹時血糖の正常値の上限は109mg/dLとされているが、食後はこの値を上回ることがある。

しかし、その上昇があまりに急で140mg/dLを超えてしまう状態を血糖値スパイクと呼ぶ。ちなみにスパイクとは釘のこと。グラフにすると釘のような鋭い形で血糖値が急上昇するので、この名前がついた。

通常の健康診断では異常がみつからないので、無自覚の人も多いが、潜在的な患者数は1400万人以上に及ぶと推計されている。

なぜ急激な血糖値の乱高下は身体に悪いのか。東京慈恵会医科大学の糖尿病・代謝・内分泌内科講師の坂本昌也氏が解説する。

 

「血糖値の急上昇が繰り返されると、血管内の内皮細胞がダメージを受けます。そこに炎症が起こる結果、血管の壁が厚くなる。これが動脈硬化の原因になります。

血糖値スパイクのみで重大な病気になる可能性は高くないですが、そこに高血圧や脂質異常症が加わることで心筋梗塞の発症にもつながります。

また糖尿病の患者さんで血糖値のスパイクが高いと認知症を発症している人が多くなるという調査結果があります。これは、脳の血管がダメージを受け続けたことで、気づかぬうちに小さな脳梗塞が起きているからだと考えられています」

血糖値スパイクは、肥満の人がなるとは限らず、やせ形の若い人でもこの症状に悩まされている人も多い。知らず知らずのうちに、内臓や血管にダメージを与える血糖値スパイクを避けるためには、どのような対策をとればよいのだろうか。

まずは食事の摂り方だが、血糖値上昇の原因に直接関係する糖分は当然、摂りすぎてはいけない。

GI値という指数がある。これは純粋なブドウ糖を摂取したときの血糖値が上昇するスピードを100として、食物の血糖値上昇率を測った数字。GI値は血糖値管理の重要な指標となる。管理栄養士の川端理香氏が語る。

「GI値の高い食べ物の代表は純粋な甘味、砂糖やはちみつです。そして精製された白い小麦で作られたパン。パンにジャムをつけて食べるのが最も血管を傷つける食べ方ですね。

糖と同時に油や食物繊維を摂ると血糖値の急上昇が抑えられる。だからバターが入ったパン、例えばクロワッサンのようなパンのほうが、純粋に塩と小麦でできている食パンやフランスパンよりも血糖値を上げにくい」