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医療・健康・食
知っておきたい「良い獣医/悪い獣医」の見分け方
「ペットを褒めまくる医者」があぶない

やたら検査する医者はダメ

前章(あなたのペットに「やってはいけない治療」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50405)で見たように、人間の医者以上に獣医は玉石混交だ。では、獣医の良し悪しをどのように見分ければいいのだろうか。いそべ動物病院の磯部芳郎氏が語る。

「まず広告をたくさん出しているような病院には行かないほうがいいでしょう。広告を打つということは、お客さんの定着率が悪いということの裏返しです。そのような広告費は回り回って、治療費に反映されます。

もう一つ大切なのは、犬の散歩などで知り合った飼い主さんとの情報交換です。どこの病院がどれくらいの治療費を取っているか、法外なところだと噂になるはずです」

絶対に避けたいのは、通うたびに検査をしたがる病院だ。血液検査だけで数万円取る病院も多く、検査料が儲けの柱になっているところもあるからだ。ノア動物病院院長の林文明氏が語る。

「ろくに犬や猫に触らないで、検査に頼りすぎている若い獣医もいるようですね。下痢をしたからといって犬を病院に連れて行ったら、なぜか心電図を取られたという例もあるようです」

また、立派な施設で機械がそろっているからといって必ずしもいい病院とは限らない。

 

「私たちの世代だと、極端な話、聴診器とちょっとした手術道具があれば開業できましたが、今の若い獣医は大がかりな機械や内視鏡、超音波までそろえてから開業したがる。そうすると、開業資金は膨らんで、億単位になることもあります。

そんな病院だと、やらなくてもいい手術をしたり、不当に高い請求をしたりしないと経営が回らないこともある」(青山小動物医院の青山隆氏)

人間の医者と同じで獣医にとって重要なのは、コミュニケーションのスキルだ。これまでの既往歴や手術の経験など、細かい情報を飼い主からじっくり聞こうとする獣医は信頼できる。

「自分の言葉で訴えられないペットの治療は人間の診察より時間がかかるもの。飼い主と30分でもゆっくり話をしてくれるような獣医は信頼できます。動物病院が混雑する週末より、平日のほうが、相談しやすいですね」(都内の動物病院院長)

とはいえ、あまりにペラペラしゃべる獣医にも気をつけたい。

「カネ儲けを考えている獣医にとって、飼い主の懐具合がいちばん気になるところ。服装や乗っている車、物腰から『どれくらいの額なら払えるだろう』と考えるのです。

金づるだと判断すれば、とにかくペットを『賢いね』『いい子だね』と最大限に褒めあげて、飼い主の歓心を得る。そして『できるだけのことをしてあげたい』という気持ちにさせるのです。本当に動物思いの医者は、犬や猫に営業トークなんてしませんよ」(都内の病院長)

愛するペットをヤブ、強欲獣医の犠牲にしないためにも、病院選びには極力慎重になりたい。

「週刊現代」2016年12月10日号より