アーティストの今後はどう変わるのか
「斎藤和義のパトロンになりたい」という願いを叶えるプラットフォーム

 ミュージシャンの斉藤和義さんが、動画投稿サイトのyoutubeに原発を批判する自身の曲をカバーした楽曲「ずっとウソだった」をアップして話題になりました。この件に関して、斉藤さんが所属するビクターエンターテイメントは、「あくまでもプライベート映像であり、自社が関与するものではない」という趣旨のコメントを発表しています。

 そんな騒動の渦中催された、4月8日のライブ配信サイトUstream上での、レコーディングスタジオから中継された震災復興応援ライブには約3万人もの視聴者が集まりました。斉藤が、ライブ中継の最後に話題の原発ソングを歌うと、多くの視聴者から斉藤さんを応援するメッセージが送られました。

 今回のミュージシャン斉藤さんの勇気ある行動は、今後のアーティスト活動がどのようなものになっていくのか?ということを予言しているのではないか、と考えます。

 最近話題になっている「Grow!」「CAMPFIRE」「READYFOR?」というインターネットサービスがあります。この3つのサービスは、アーティストが直接ファンから資金援助を得られるプラットフォームである点で類似しています。

 従来は、大手のレーベルや出版社と契約しなければアート活動自体で生計を立てることが厳しかったアーティストも今後は、このようなインターネットサービスを使うことで、自己プロデュースしていく力を手にすることができるのです。つまり、ファンと直接濃密な関係を築いていくことができるのです。

事務所ともめたって大丈夫

 私は、ツイッター上にいる約8000人のフォロワーさんにこう問いかけました。「これを機会に斎藤和義さんはフリーエージェント歌手になってみてはどうか?ファンが直接パトロンになります。」すると、「僕もずっと斉藤さんのファンでした、パトロンになりたいです!」というつぶやきが帰って来ました。

 もし、斉藤さんが今回の件で、ビクターエンターテイメントや事務所側ともめることがあっても、問題はないでしょう。なぜなら、斉藤さんはすでに多くのファンがついており、そのファンから直接パトロンになってもらうことが十分可能だからです。

 音楽業界、出版業界不況などと昨今は言われていますが、それは業界の話であって、音楽家や作家にとってはむしろ追い風が吹いています。なぜなら、彼ら彼女らは、自己プロデュースしていくウェブプラットフォームをすでに手にしているからです。

 また、今はアマチュアのアーティストも1人1人のファンを大切にし自己研鑽に励めば、オーディションや文学賞などの既存の権威に頼ることなく、自身の表現活動で飯が食える時代に突入しているのです。

 今回の、斉藤和義さんの勇気ある行動は、「反原発」という政治的なメッセージを多くの人々の心に届けただけでなく、今後のアーティスト活動がアーティストの「魂の声」をリアルタイムにかつダイレクトにファンに届けることができるようになったことを明らかにしました。

 皮肉にも、音楽業界不況、出版業界不況と言われるのは対称的に、音楽家、作家の活動は今後活気づくであろうとわたくしは、確信しています。江戸時代の元禄文化や化政文化ではないですが、この日本に「平成文化」が花開く瞬間をわたしたちは、今目撃しているのです。

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