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社会保障・雇用・労働
日本マイクロソフトはなぜ「女性離職率40%減」を実現できたか
ワークスタイル変革の極意

2011年2月の本社移転を機に「ワークスタイル変革」を実行し、在宅勤務や新たな雇用制度を導入。結果、事業生産性は26%アップ、女性の離職率を40%も減らすなどのめざましい成果が上がった――日本マイクロソフト社の取り組みがいま、内外の注目を集めている。

同社の業務執行役員で、「ワークスタイル変革」を主導した越川慎司氏がその成功プロセスをまとめた『新しい働き方  幸せと成果を両立する「モダンワークスタイル」のすすめ』から、その一部を特別公開!

女性の離職率が40%ダウン!

私が入社した日本マイクロソフトは、新聞や雑誌などで報道されているように、2011年2月の品川への本社オフィスの集約移転を機に、「ワークスタイル変革」を実行し、テレワークを導入するなどして、いち早く“新しい働き方”を実現しました。

テレワークとは、英語の「tele(離れたところで)」「work(働く)」を組み合わせた造語で、ICT(情報通信技術)を活用し、在宅勤務やサテライトオフィスワークなど時間や場所を問わずに働くことを可能にした、新しい働き方のスタイルの総称です。

その結果、日本マイクロソフトでは、ワークライフバランス満足度は40%向上し、事業生産性26%アップ、女性の離職率は40%減り、紙の書類が49%削減されるなどの成果をあげました。そうしたことから、いま非常に注目を集めています。

それにしても、日本マイクロソフトでは、いったいどうして、このような働き方やオフィスをつくることになったのでしょうか。

外資系といっても、働く人の多くが日本人です。慣れ親しんだ「日本式」とはまったく違う方向に行ったのはなぜでしょう。

 

実は、日本マイクロソフトは、かつてはある意味で「コテコテの日本企業」といえる雰囲気で、「ワークスタイル変革」に着手するまでは、本当にさまざまな課題を抱えていました。

アメリカ本社からも、ワークスタイルの見直しについて何度も指摘されていたものの、「日本はアメリカとは違う」と言い続けて、マインドチェンジができないままでいたのです。実際に、テレワークに反対する役員もいました。

その当時の日本マイクロソフトは、問題だらけでした。「日本マイクロソフトが直面した課題」という図にまとめたとおり、労働生産性は上がらない、コスト効率は低い、女性離職率が高いなど、企業として非常に危うい状況に追い込まれていたのです。

そうした状況に危機感を覚えた経営陣は、本気で「ワークスタイル変革」に取り組もうとしました。

2011年2月に、分散していたオフィスを品川の新オフィスに統合。それを機に、本格的な「ワークスタイル変革」に着手しました。これが、企業文化を大きく変えるきっかけになったのです。