Photo by GettyImages
政治政策 行政・自治体

だから小池都知事は信用できない! あのちゃぶ台返しは何だったのか

透明性をうたいながら「密室決着」

ヘタな詐欺のような笑い話だ

東京五輪・パラリンピックの会場見直しで焦点になっていたボート・カヌー会場は結局、元の鞘に戻って海の森水上競技場で決着した。見逃せないのは決着の仕方だ。最後の核心部分は闇の中、舞台裏で決まったのである。いったい、どうなっているのか。

11月29日午後、都内のホテルで開かれた4者協議は始まりから異様だった。

ネットにアップされている中継動画(https://thepage.jp/detail/20161129-00000004-wordleaf)を見ると、最初に会場に現れたのは大会組織委員会の森喜朗会長である(動画の0:54秒)。

「さて次は」と待っていると、それからしばらくはだれも来なかった。

大勢の報道陣がシンとして見守る中、森氏1人が四角に配置されたテーブルの一角にポツネンと座っている。森氏は初めのうち資料を見たりしていたが、そのうちあごに手をやり、斜に構えていかにも不機嫌そうにしている。

やがて待ちくたびれたころ、ようやく国際オリンピック委員会(IOC)のジョン・コーツ副会長が入室した(12:12)。次に、政府を代表した丸川珠代五輪担当相が到着し(12:55)、最後に小池百合子知事が「主役は私よ」と言わんばかりに、周囲に笑顔を振りまきながら入室した(13:47)。

 

結局、森氏は全員がそろうまでに13分近くも待たされたのだ。

報道陣に公開の会議である。テレビカメラの前で主役の1人を待たせただけで非礼なのだが、それにはもっと重大な訳があった。会議が始まり、コーツ副会長や森会長、丸川五輪相らが冒頭発言した後、小池知事の番になると、それが明らかになった。知事はなんと言ったのか。

「今日の時間割で最後に結論を申し上げるのではなく、まず東京としての現時点の考え方を申し述べさせていただきたい」と前置きしながら、こう言った。

「水泳アクアについては(観客席が)20000席でなく15000席で良いという答えをいただき、減築もしない。コストは当初の683億円が513億円に170億円の減少になるので予定の会場(=五輪水泳センター)でやりたい」

「海の森はさきほどコーツ委員長(発言ママ)から『宮城の長沼は即使えるところで、事前キャンプとして活用することをセキュア(secure、確実に)する』とおっしゃっていただいた。費用やロケーションの面を考え、海の森で進める案を東京都は採りたい」

最後がバレーボール会場について、「(都が提案した)横浜アリーナは世論調査で7割の支持がある。いくつか確認したい点もあり、クリスマスまでには最終結論を出したいので猶予をいただけないかと先程、コーツ委員長と話をした」と述べた。

これでお分かりのように、なんのことはない、知事が大幅遅刻したのはコーツ氏と舞台裏で協議していたからだったのだ。しかも、もっとも重要な「ボート・カヌー会場は海の森、ただし事前キャンプは長沼で」という核心部分をめぐって、である

これでは知事が繰り返し強調していた透明性重視の掛け声はどこへいったのか。コーツ氏とどんなやりとりがあって、長沼決着に落ち着いたのか、まったくあきらかでない。

「4者協議はすべて公開だった」などと報じているマスコミはいったい、どこを見ているのか。トンチンカンもいいところだ。4者協議とは、舞台裏で全部筋書きができあがった話を、もったいつけてカブキのように演じてみせただけである。

これにはオマケも付いた。小池知事は4者協議後の記者会見で「今日はフルオープンでない部分があると聞き、だったら最初から結論を言ってしまったほうがいいと考えて、そうさせていただいた」とのたもうた(http://www.news24.jp/articles/2016/11/29/07347751.html)。

自分が密室協議で決めていながら「フルオープンでないから結論を先に言った」とは、どういうことか。「舞台裏で決めた話は、みんなでしっかりカブキを演じなければダメじゃない。観客に見せないなら、私は先に言っちゃうよ」と言っているのだ。

こうなると、ほとんど舞台裏が透けて見える下手な詐欺のような笑い話である。

透明性重視とは名ばかりだ。私はこの1点だけでも、小池知事を信用できない。

この続きは、プレミアム会員になるとご覧いただけます。
現代ビジネスプレミアム会員になれば、
過去の記事がすべて読み放題!
無料1ヶ月お試しキャンペーン実施中
すでに会員の方はこちら