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政治政策 経済・財政 アメリカ
期待先行の「トランプノミクス」、本当に実現可能なのか?
カギを握るのは共和党重鎮との関係

トランプ政権の第一関門

米国大統領選後の「トランプラリー」は意外と長く続いている印象がある。トランプ氏が選挙期間中に言及してきた経済政策の多くが実行に移されると、米国の経済成長率が上方に押し上げられるとの期待が根強く残っているからだろう。

ところで、トランプ氏の経済政策の主体は「財政政策」である。だが、アメリカの制度上、財政政策は予算という形で、議会の承認を得る必要がある。

今回、大統領選と同時に上下院選も実施されたが、トランプ氏にとっては非常に幸運なことに、与党である共和党が上下院ともに過半数を獲得した。

そのため、トランプ新大統領は、少なくとも次回の中間選挙までの2年間は、政府と議会の間の「ねじれ現象(アメリカでは「Divided Government(分割政府)」といわれる)」を経験せずに政策立案を行うことができる。ブッシュ大統領もオバマ大統領もこの「ねじれ現象」で自らの政策構想を十分に実現できず、「レームダック化」してしまった。

もし、今回、民主党のクリントン候補が選挙戦に勝利していたら、上下院とも共和党が過半数を占める議会の強い抵抗で、就任早々、「レームダック化」していた可能性が高い。そういう意味では、「クリントン大統領」の下では、株価が急落していた可能性もあったかもしれない。

だが、「上下院で与党が過半数を有する」という状況は、トランプ政権にとっては、第一関門をクリアしたに過ぎない。

なぜならば、トランプ新大統領は、家計、企業向け大型減税に加え、インフラ整備を主体とした公共投資の拡大を経済政策の「目玉」にしているためである。

特に、インフラ整備を主体とした公共投資の拡大は、トランプ氏が大統領選に勝利した直後の演説で「インフラ整備による雇用創出で経済を回復させる」とわざわざ言及したように、経済政策の根幹である可能性が高い。

ところが、共和党は伝統的に「小さな政府」を志向している。一方で、インフラ整備等の公共投資は、政府が主体となって行う事業であり、大恐慌期におけるルーズベルト大統領のニューディール政策に起源を持つ「大きな政府」的政策である。これはむしろ、「民主党」的な経済政策であることは言うまでもない。

 
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