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野球

大谷翔平が語った「二刀流の真意」とこれから〜自分の体で確かめたい

独占ロングインタビュー

自分の目と体で確かめたい。規格外の男を突き動かすのは単純な好奇心だ。二刀流の真意と自身の「これから」を語る。

自分で決めたことなので

二刀流について、我々は一つ大きな誤解をしていたようだ。

「別に失敗したら失敗したで、いいと思ってたので」

日本ハムの大谷は今季、投手としては10勝、野手としては22本塁打をマークし、ひとまずプロ野球でも二刀流が可能であることを証明した。そして、ここまでの道のりを振り返り、大谷はほとんど表情を変えずに冒頭のように振り返った。

大谷は4年前、「高卒→即渡米」という夢を捨て、日本ハムへの入団を決断した。

日本ハムの編成陣は大谷を口説く際、日本プロ野球を経ずにアメリカへ渡った選手たちの成功例がいかに少ないかというデータを持参した。大谷は日本ハムから二刀流の提案がなければ入団を断っていたと話すが、そのデータも少なからず「効いた」のだと思っていた。つまり、より現実的になったのかなと。

高卒と同時にアメリカ行きにこだわった理由を、大谷はかつて「誰も歩いたことのない道を行ってみたかった」と語っていた。

「ニュアンスとしては、ちょっと違うかな……。アメリカならマイナーから始まって、上手くいって4〜5年かけてメジャーに上がる。その間の育成システムに興味があったんです。どういう選手になれるのかなと。それが結果的に、人がやってないことをやりたいってことになった」

大谷を突き動かすものは、いつでも好奇心だ。日本ハムの「二刀流案」は、そのツボにはまったのだ。

「他にはない育成方法ですし、それを僕自身で確かめてみたかった」

 

昨年は投手としては最多勝などのタイトルを獲得したが、打者としては打率・202、本塁打5本と低迷。評論家などから再び投手一本に絞るべきだという論が噴出した。が、まったく意に介していなかった。

「それは別に。僕が決めたことなので。ダメでも、それが今後の育成法に生かされれば無駄にはならない」

大谷は高卒即渡米も、二刀流挑戦も、失敗することなど、これっぽっちも恐れてはいなかったのだ。

大谷は自分の興味に誰よりも貪欲だ。

大谷の体は年々、巨大化している。入団時は体重86キロだったが、今は100キロに到達した。投手と野手では、鍛える筋肉の部位が違うため、今後はその差異によって互いのパフォーマンスが阻害される危険性もある。

しかし大谷はそんな心配もこう一蹴する。

「どこの筋肉をつけ過ぎるといけないとかよく言いますけど、プロ野球界を見渡してみても、そこを恐れて自分を上げ切れていない人のほうが多い。自分の場合、そこを考えるのはまだまだ早いですね」

ここでも恐怖心より、それを超えたときの自分を見たいという好奇心が勝つ。

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日本ハムに来て良かった

ソフトバンクとの間で行われたCS第5戦、7-4とリードして迎えた9回表。大谷はDHから抑えとして登板し、3人の打者を空振り三振、空振り三振、遊ゴロで打ち取り圧倒した。

監督の栗山英樹によれば、登板に踏み切ったのは、ベンチ内で大谷が投げさせてくれと目で訴えていたからだという。その真偽を確認すると、軽く首を傾げた。

「投げさせてくれ……ってことはなかったです。普通に行けますよ、っていう感じです。それでも、そんなことは滅多にないですよ」