〔PHOTO〕gettyimages
野球
ここにも日米格差が…?オフシーズン、野球選手は何をしているのか
やっぱりメジャーはスゴかった…

日本では10年ぶりに日本ハムがシリーズを、アメリカではなんと108年ぶりにシカゴ・カブスがワールドシリーズを制し、今シーズンの野球が幕を下ろしました。これから数ヶ月のオフに入りますが、日米共にプロ野球選手はシーズン終了からキャンプまでをいかにして過ごすのか。

自主トレ、オフのビジネスや、余暇の使い方まで、元メジャーリーガーの長谷川滋利さんに徹底比較してもらいます。

 

メジャーリーガーの特典

よく「オフのとき、野球選手は何をしてるんですか?」と聞かれますが、身も蓋もない言い方をすると、いろいろです。今回は「オフの過ごし方」をシーズン終了前から順番に説明していきましょう。
 
まずメジャーの場合、その年の結果が見えてきたシーズンの最終週あたりで、オフに向けてロッカールームを片付けるヤツが必ず出てきます。個人的にそれはどうなのかな、と思う部分があったので、僕は絶対にやりませんでしたけど、球団の本拠地と家の場所が違う選手も多いし、そういう選手は一刻も早く離れている家族に会いたいだろうから仕方ないのかもしれません。「最終戦が終わって2時間後のフライトで帰るんだ」なんていう選手もいましたね。

【PHOTO】gettyimages

日本球界の場合はシーズンが終わって即解散、とはなりません。シーズン終了後に2週間前後の休みをはさんで、若手レギュラーと準レギュラー、期待の2軍選手などは秋季キャンプに行き、ベテランレギュラー陣と2軍選手は本拠地でのトレーニング。といった感じで分かれます。
 
シーズンが終わる前にチームを強化をしようという意味もありますが、首脳陣に交代があった場合、指導者が春季キャンプが始まる前にチームのことを知っておきたい、という意図も大きいです。ここで来季の構想や補強ポイントなどを明確にしていく狙いですね。
 
この秋季キャンプの有無が日米の大きな差ですが、アメリカには秋季キャンプの代わりに若手の育成と強化を目的とした「アリゾナ・フォールリーグ」や、主に中南米の国々で開催されるウィンターリーグがあります。
 
ただ、それはチーム全体のイベントではなく、前者はシーズン中に試合に満足に出場できなかった若手や、これから伸びそうな期待されている選手が参加することが多いですね。なので球団が選手を指名して費用も負担して参加させているケースがほとんどです。地元に戻ってプレーしたいプエルトリカンやドミニカンも多いですね。
 
この秋季キャンプやウィンターリーグが終わると、12月と1月はクリスマスや正月といった本格的なオフに入ります。日本の場合、年末に納会などが入る場合もありますが、メジャーはこの時期にほとんどチームの予定は入りません。そこは家族を優先するアメリカの国民性からくるものかもしれません。
 
余談かもしれませんが、日本人メジャーリーガーの場合、帰省のためのファーストクラス航空券が契約に含まれている場合がほとんどです。今だとダルビッシュ有投手や田中将大投手なんかはファーストクラスで年2~3往復できる契約を結んでいるのではないでしょうか。

松井秀喜氏は選手時代から日本航空のCMに出演していたから、JALはもちろんフリーパスに近い待遇だったと思います。野球以外でもビジネスになるケースが多いのもメジャーリーガーの「特典」かもしれません。

サイドビジネスの裏側

オフの過ごし方としては、だいたいの選手が本当にのんびりしているだけだと思います。イベントやテレビ番組などに出ることもありますが、本当に出演が好きな選手の場合ですね。きっぱり断る選手のほうが圧倒的に多いですね。本拠地に住んでいる選手などは断り切れずに組み込まれてしまうこともあり、エージェントに「いないということにしてくれ」なんて言っているヤツもいましたね。誰とは言いませんが(笑)。

逆の例としては、2012年に当時ヤンキースのカーティス・グランダーソン選手(現ニューヨーク・メッツ)が石巻市でチャリティ野球教室を開催してくれました。あれは自分から言い出したケースだと思います。チャリティーに消極的な選手もいれば、積極的な選手もいる。それは日米であまり差はないかもしれません。
 
また、メジャーリーガーはオフシーズンにサイドビジネスで利益を出している、なんていう話も聞きます。A・ロッドの不動産の話などは日本でも有名かもしれません。

確かに彼は何千ユニットという不動産を所有していているので、報道の半分は本当ですが、かなり優秀なブレーンをつけているので、みなさんが思っているほど本人はそこまで深くコミットしていないと思います。彼をはじめ、メジャーリーガーで投資などで利益を出している人のほとんどはそんな感じだと思います。

ただ、中には例外もいます。ある活躍していた古豪の投手は、父親のビジネスを手伝っていて、「そっちの利益が野球と同じくらいあるから、もう引退してもいいんだけどね」と冗談交じりに教えてくれたことがありました。

当時、彼はクローザーでしたから、3~4ミリオン(3.5~5億円)はもらっていたはずです。僕も現役の後半は投資などのビジネスに興味が出てきたので「カッコええなあ。オレもああ言って現役を終えたいな」と思ったものです。