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社会保障・雇用・労働 学校・教育

「教職員数削減」で現場のブラック化はどこまで進むのか?

文科省vs財務省、当事者なきバトル

どちらの予測が正しいのか

教育に関する「文教予算」について、財務省と文科省の間で大きな認識の差があることが明らかになってきた。

財務省は、今後10年間で公立の小中学校の教職員の定数をおよそ4万9000人削減できるとする案をまとめ、文科省に対して定数削減を要求した。これに対して当の文科省は「教育現場を十分に理解していない意見だ」と猛反発。さらに、自民党の文部科学部会も文科省を擁護し、財務省の提案に反対する決議をまとめた。

「教職員のブラック化」がメディアで報道されるなか、この財務省の提案を「非情」と捉える向きも多いが、実際のところ、財務省と文科省どちらが正しいのか。

 

そもそも、財務省が教職員の定数削減を主張するのは毎年のことだ。ただ、去年は10年間で3万7000人を削減可能としていたところをみると、今年は例年よりも強気であることがわかる。

定数削減の根拠は「少子化による生徒減少」が予想できるから。実は、文科省も少子化による教職員数削減の可能性は認めているが、こちらは今後10年間で1万6000人とより緩やかな試算である。

ここで、基本的な数字を確認して両者の言い分を整理しよう。'16年の学校基本調査によれば、小中学校の生徒数は974万人、教職員数は65万人だ。そして今後10年間で生徒数は175万人減り、800万人程度になると予測されている。

現在、教職員一人当たりが抱える生徒数は約15人。財務省の要求どおり教職員を4.9万人減らすと、10年後には13.3人に減少する。また文科省の試算に準ずると、一人当たりの生徒数は12.6人とさらに少なくなる。

ちなみに現在の教職員一人当たりの生徒数は、OECD諸国の平均を若干超えている。これを平均まで引き下げることで教職員人件費の国庫負担が抑えられるというのが財務省の主張だ。

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