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「ツイッター危うし」は本当か?決算資料の数字からわかること
実はそんなにヤバくない

日本人にとっては最も馴染み深いSNSを運営する、Twitter社の苦境が伝えられている。ユーザーの増加数は鈍化しており、直近の四半期では月間アクティブユーザー数をたったの400万人しか増やせなかった。

最大のライバルであるFacebookが同時期に未だ7000万人以上増やしているのとは対照的だ。後進のInstagramやSnapchatにもユーザー数で抜き去られ、十分な利益も生み出せていない。

自主再建は難しいため、身売りをするだろうという観測もあったが、買い手として名乗り出ると予想されたGoogleやSales Forceが手を挙げず、話は流れた。その後、従業員300人のリストラが発表されるなど、状況は悪くなる一方にみえる。

いったいTwitterの内状はどうなっているのか。明るい未来を描ける可能性はあるのか。決算説明資料などの数字から読み解いてみた。

 

途上国に行って驚いたこと

SNSやチャットアプリなどのスマホ向けサービスでは、とにかくどれだけ沢山のユーザーを囲い込めるかが成功のカギを握っている。しかしTwitterはここ数期、ほとんどユーザーを増やせていない。とりわけアメリカ国内では完全に横ばいとなっている。

一方、ライバルのFacebookはすでにユーザーの9割近くが米国外で、広告収益も半分は海外から得ている。筆者は昨年・一昨年とシンガポールやインドネシアなどの東南アジア諸国を訪れ、現地のベンチャー業界の動向調査を行ったが、スマホユーザーの激増にともない、スマホでFacebookを見ている人の数の多さに驚かされた。

インドネシアでのある調査では、ネット接続していることに気づかないままFacebookを使っている人も多くいるという(http://qz.com/333313/milliions-of-facebook-users-have-no-idea-theyre-using-the-internet/)。

途上国では「カエル跳び現象」といって、PCが流行る前にスマホが流行り、Googleが普及する前に一足跳びでFacebookが普及すると言われている。Facebookは、アフリカでも無料でインターネットにつなげるキャンペーンを展開していて、スマホの普及を促し、その結果、当たり前のようにFacebookを使うよう「教育」している。

ユーザーを増やすための明確な戦略をもったFacebookとは対照的に、このような戦略を実施できなかったTwitterの海外利用者比率は8割程度にとどまり、収益に占める割合も海外は4割弱となんとも頼りない。

年間の売上高は2000億円ほどで停滞しており、Facebookの10分の1しかない。そのうえ、慢性的な赤字体質が災いして、研究開発費まで削減傾向にある。

ただ、例外的に日本では好調だ。日本の月間ユーザー数は3500万人にのぼり、FacebookよりもTwitterが好まれているほぼ唯一といっていい国だ。

Twitter上で話題になったニュースを集めてくる「ニュースタブ」という新機能を展開しているが、実は、これも日本発の試みである。

そんな日本でも、今後もツイッターが安泰とは限らない。スマホ向けのSNSでは、中高生に大人気のMix Channelや、Snapchatが台頭しつつある。この2つの特徴は、動画の「自撮り」によるコミュニケーションが行われていることだ。

つまり、SNSの寿命は短いのだ。Facebookでさえ、最新の決算ではそのユーザー数増加に陰りが見えてきたことが指摘されている。そこで重要となってくるのが、本業が順調なうちに、次の事業の柱となるようなサービスを自社で育てるか、買収してくることだ。

Facebookはその点でも巧みである。Instagramをはじめ、世界で一番使われているメッセージングアプリであるWhatsappも巨額を投じて買収し、スマホの「次」のデバイスと見越して、VRのデバイスを開発するOculus Liftまで取得している。

では、Twitterの買収戦略はどうなっているだろうか。