〔PHOTO〕Ⓒ新日本プロレス
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新日本プロレスの社長が明かす「ブーム再燃の舞台裏」

いま一番おもしろい「闘魂」を語る
新日本プロレスリングの原田克彦社長

プロレス人気が復活している。その先頭を走るのが、今年で創立45周年を迎える新日本プロレスだ。

'12年、経営が厳しかった同社を、ゲーム会社・ブシロードが買収。その後、1月4日開催の東京ドーム大会「WRESTLE KINGDOM」や、世界一過酷と言われる真夏の祭典「G1CLIMAX」等の大会が人気化。現在、4年連続増収増益を実現し、株式公開までも見据える勢いだ。原田克彦社長(52歳)に話を聞いた。

琴線に触れる闘魂の演出

半世紀

私は新日本プロレスを「普通の企業」にするため、社長に就任しました。プロレスの業界は今まで、アントニオ猪木さんや、蝶野正洋さんをはじめとする「闘魂三銃士」など、人気レスラーの集客力に頼ってきたのです。

このため、人気選手が現れると一時的なブームが起こり、その後は低迷し、またブームが起き……と浮沈を繰り返してきました。

この状況は、一時的に大きな資金を得る「興行」としては成り立っても、継続的な「事業」としては危うい面を持っています。安定した成長を実現するためには、演出や広報や集客を勘に頼るのでなく、方法論や知識を持った人材の育成が急務です。

また、どんな大会にいくら投資し、どう回収するか、財務面での計画性も必要です。多くの企業が、勃興し、発展し、衰退するサイクルを経験します。日本のプロレスも、半世紀を経て近代的経営に変わる時期にあったのでしょう。

必殺!

いま、新日本のプロレスは世界一面白い! と宣言します。選手それぞれの必殺技は、肉体を鍛え上げていなければケガをする激しいものばかり。世界中のプロレスを見渡しても、最も激しい闘いをしていると思います。その結果は、顧客数と顧客層に現れています。

 

イベントは年々賑わいを増し、お客様の年齢層は20代からシニアまで様々、実は男女比もあまり偏りがありません。気持ちが入った闘いのドラマは、年齢・性別問わず、人の琴線に触れるのでしょう。

冷静と狂気

私の出身は山口県です。子どもの頃から幕末の志士たちの気持ちのこもった物語が好きで、吉田松陰が獄中で詠んだ歌「かくすれば、かくなるものと知りながら、やむにやまれぬ大和魂」を思うと今も胸が熱くなります。この歌には「私」を顧みない冷静さと、「公」のためには実行あるのみ! という狂気が同居している気がします。

思えばプロレスも事業も同じかもしれません。経営や演出はきめ細やかに、しかし闘いは熱狂的に、でなければいけません。

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