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経済・財政

麻生大臣を怒らせた、佐藤慎一・財務事務次官の大ポカ

なぜこんな人を次官に据えたのか……

2017年度税制改正について、8月末から9月にかけて盛り上がった配偶者控除見直しの動きが10月上旬、一気にしぼんだ。新聞報道によると、その理由は「衆院解散風」が吹き、有権者の反発を怖れた自民、公明両党が消極的になった、とされている。

だが、首相官邸筋によると、迷走させた張本人は財務事務次官・佐藤慎一と主税局長・星野次彦だという。

彼らは財務省内の合意を得ないまま、与党幹部には「首相官邸の了承を得ている」とウソをつき、暴走した。それを止めたのは副総理兼財務相・麻生太郎と官房長官・菅義偉だった。

きっかけは「宮沢発言」

まず、経緯を振り返ってみよう。読売、日経新聞は8月30日付朝刊1面で、自民党税制調査会長・宮沢洋一のインタビューを元に次のように報じた。

「配偶者控除見直しへ 自民税調宮沢会長 年末の大綱に方針」(読売)
「配偶者控除見直し検討 自民税調会長 共働きも適用 家族観や社会の変化映す」(日経)

両紙は解説記事なども掲載し、大々的に展開した。読売の記事によると、宮沢は「少子高齢化が予想以上に進展している。日本経済のため、女性の社会進出を増やすことが喫緊の課題だ」、「働く意欲のある方に社会で働いてもらうことが大事だ。専業主婦でパートをやっているのが一番得だという制度はやめたほうがいい」——と語った。

自民党税調会長は税制改正に絶大な権限を握っている。読売、日経両紙がその人物の発言を大きく扱うのは当然のこと。他紙やテレビ局は一斉に後追いした。

 

宮沢発言を受けて自民党幹事長・二階俊博は同日の記者会見で「今日の女性の社会進出や、専業主婦世帯より夫婦共働き世帯が多くなった時代の変化を考え、税制面でも支援していこうという表れだ。党としても支持していきたい」と述べた。

政調会長・茂木敏充も9月14日、報道各社のインタビューで「できれば年末の税制改正に盛り込みたい」と述べ、来年の通常国会での法改正に意欲を示した。

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