エンタメ メディア・マスコミ

フジ「月9」はなぜ瀕死状態になったのか? ついに打ち切り話まで…

その栄枯盛衰をたどる

フジテレビの月曜9時からの1時間ものの連続ドラマを、テレビ業界内やドラマ好きの人々が「月9(げつく)」と呼ぶようになったのは、1991年あたりからだ。

この年は『東京ラブストーリー』と『101回目のプロポーズ』がともに30%を越える視聴率を取って大ヒットした。

その後も『ひとつ屋根の下』『ロングバケーション』『ラブ ジェネレーション』『HERO』など、30%を越えるドラマを次々と放ち、フジテレビを象徴する枠となっていた。

その「月9」がいま、瀕死の状態にある。

フジテレビ凋落の象徴

今年(2016)の「月9」は「最低視聴率記録の更新」しか話題がないといっていい。

これまで『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』『ラブソング』『好きな人がいること』と、王道のラブストーリーを放映したが、ことごとく、平均視聴率が10%に達しなかった。現在放映中の『カインとアベル』も苦戦している。

なかでも、『ガリレオ』をはじめ「月9」で高視聴率を取ってきた福山雅治を起用して、起死回生を狙った『ラブソング』(4月~6月)の惨敗は衝撃だった。

テレビ界全体が、20%を取る番組がたくさんある状況ではなくなっているが、以前があまりにもよかっただけに、「月9」の視聴率の低下が目立つ。

同時に、フジテレビも業績不振から抜け出せないであえいでいる。

連続ドラマはその局の「顔」、象徴であり、連続ドラマが好調な局は全体もいい。「月9」の低迷とフジテレビ全体の業績悪化とは、ニワトリと卵のような関係で、どちらが先かは分からないが、連動しているのは間違いない。

 

「月9」全盛期

「月9」の全盛期は、実は20年前である。

年間4作の全ての平均視聴率が20%を越えたのは、過去に1年だけしかない。それが1997年で、頂点の年だ。【以下( )はそれぞれの平均視聴率。】

97年以前、最初に4作中3作が20%以上になったのが91年で、鈴木保奈美・織田裕二の『東京ラブストーリー』(22.9)、浅野温子・武田鉄矢の『101回目のプロポーズ』(23.6)、中山美穂・大鶴義丹の『逢いたい時にあなたはいない…』(22.0)の3作が達成した。これで「月9」は人気ドラマ枠として不動の地位を得た。

次が93年で、江口洋介・福山雅治の『ひとつ屋根の下』(28.2)、中井貴一・観月ありさの『じゃじゃ馬ならし』(21.8)、石田ひかり・筒井道隆の『あすなろ白書』(27.0)。

そして95年、和久井映見・堤真一の『ピュア』(23.8)、木村拓哉・山口智子の『ロングバケーション』(29.6)、中山美穂・唐沢寿明の『おいしい関係』(21.8)と、一年おきにヒット作連作の年が来て、やはり一年おいて97年にパーフェクトを達成する。

その1997年のラインナップは、和久井映見・反町隆史の『バージンロード』(21.4)、江口洋介・福山雅治の『ひとつ屋根の下2』(27.0)、反町隆史・竹野内豊の『ビーチボーイズ』(23.7)、木村拓哉・松たか子の『ラブジェネレーション』(30.8)である。

その後、4作のうち3作が20%を越えた年はない。

2作が越えたのが2002年で、香取慎吾・松岡充の『ひとにやさしく』(21.4)、明石家さんま・木村拓哉の『空から降る一億の星』(22.6)と、2004年の木村拓哉・竹内結子の『プライド』(25.1)と織田裕二・矢田亜希子の『ラストクリスマス』(21.6)。

このあたりまではよかった。2004年から2008年までも、年に1作は20%を越えていた。しかし2008年の木村拓哉・深津絵里の『CHANGE』が22.1%だったのを最後に、20%を越えるものは途絶えてしまう。

2009年の最高は小栗旬・水嶋ヒロの『東京DOGS』の15.8%である。いまから思えば、この時点で手を打たなければならなかった。いや、手は打ったのだろう。だが、ますます迷走するようになっていく。

以後、20%を越えたのは、2014年の木村拓哉の『HERO』第2シリーズ(21.3)しかない。この『HERO』も、2001年の最初のシリーズは34.3.%だったので、かなり落ちている。