セックス大国ギリシャに学ぶ、今日からできる「超快眠健康法」
イビキも睡眠不足も一挙解決!

口呼吸は万病のもと

病気だから睡眠の状態が悪くなるのか、睡眠の状態が良くないから病気になるのか—これらは常に「両輪の関係」になっており、切り離して考えることはできない。

RESM新横浜の院長・白濱龍太郎氏が言う。

「よく『睡眠不足では、人間は死なない』と言う人がいますが、睡眠専門医からすれば、それは睡眠の本質を理解していない暴言です。

睡眠中に大きなイビキをかくということは、睡眠不足、いわゆる良質な睡眠を取れていないことを表しています。睡眠時無呼吸症候群(SAS)は直接的に命に関わる病気の原因となり、SASから派生する睡眠不足や倦怠感、疲労感は事故や仕事効率低下へと繋がっている。質の高い睡眠なくして、健康は望めません。逆にいえばイビキを治すことで、治せる病気もあるのです」

イビキをかく人は、慢性的な「鼻詰まり」を抱えていて、無意識のうちに「口呼吸」になっているケースが多い。

 

みらいクリニック院長の今井一彰氏は「まずは『口呼吸』を『鼻呼吸』に変えることがイビキを治し、ひいては病気を予防し、快眠に向かう近道となる」と語る。

「『口呼吸は万病の元』とも言われますが、イビキとも関係性は深い。日本人の8割は口呼吸です。その理由の一つは、日本語は舌を使った発音が少ないから。そのため舌の運動量が少ないのです。イビキは、舌の筋力が衰えて、下がってしまうため、気道が狭くなり、苦しくて口が開いてしまうのです。

口呼吸の弊害は、鼻呼吸と比べ、空気中のほこりやウイルスをダイレクトに体内へ吸いこんでしまうことです。

また、口の中が乾燥すると唾液による殺菌・消毒作用が発揮されず、細菌が繁殖しやすくなります。これが歯周病や扁桃炎を起こし、多くの病気の原因となるのです」

まずは舌を鍛える

そこで口呼吸から鼻呼吸に矯正するために、今井氏が考案したのが、「あいうべ体操」(次ページのイラストを参照)と呼ばれる舌の運動だ。今井氏が解説する。

「この体操は、上顎にしっかりと舌をつけることが大切です。舌や口まわりの筋肉は身体の他の筋肉と同様で、使わないと徐々に落ちてきます。それを強化するのがこの体操の目的です。舌の筋肉を鍛え『鼻呼吸』を習慣づけることで、イビキも治るし、口呼吸も改善します。この体操は今晩から簡単にできるので、ぜひ夫婦で試してみてください」

今井氏によれば、この体操を始めたことで睡眠時無呼吸症候群が改善され、「CPAP」(呼吸を補助する装置)を外せた人もいるという。

もちろんダイエットや生活習慣の改善も大切だが、なかなかすぐにはできない人も多いだろう。

「アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎による鼻の詰まりがイビキの原因になっている場合には、一般に薬物療法が有効です。重症のアレルギー性鼻炎の場合はレーザーによる鼻粘膜焼灼も選択肢の一つ。

また重度の副鼻腔炎は手術が必要になります。ただ、それぞれの治療法に長所短所があるので、耳鼻科専門医とよく相談する必要があります」(東京医科歯科大学・睡眠制御学分野准教授の玉岡明洋氏)