「イビキに悩む」すべての人へ〜こうすればピタッと止まります!
放置すれば死に至ることも…

旦那のイビキがうるさくて、寝室を分ける夫婦は少なくない。だが、それが「死へのカウントダウン」だったとしたら……。たかがイビキと侮るなかれ、そこには「突然死」を招く病気が潜んでいる。

体勢を横向きにしてみる

都内に住む58歳の女性は、夫(62歳)の「イビキ」に長年悩まされてきた。

「結婚して30年以上が経ちますが、年々ひどくなっている。出会った頃は60kgだった体重が90kg近くなったことも関係していると思います。あの猛獣の雄叫びのような轟音を聞かされるのは苦痛でしかありません。こっちの気持ちも知らずに、呑気に寝ている夫の顔を見ると、もはや殺意すら覚えますね」

この女性は夫のイビキのせいで夜も眠れず、昼間でも眠気を感じるようになったため、寝室を別々にしたという。

夫の言い分としては、「寝ているんだから自分じゃわからない」「それぐらい我慢しろよ」といったところだろう。

だが「たかがイビキごときで」と高を括っていると痛い目に遭う。それくらい妻たちにとって夫のイビキは「深刻な問題」なのだ。

アメリカでは夫のイビキがうるさくて眠れないとして妻が「警察に通報した」という例もあり、日本でもイビキが原因で離婚に至ったケースすらある。

夫婦関係を破綻させかねない、そんな「寝室のイビキ問題」を解決する前に、まずはイビキが起こるメカニズムをみていこう。

 

東邦大学医療センター大森病院・呼吸器内科准教授の高井雄二郎氏が解説する。

「イビキは『音』であり、音は振動するものがなければ発生しません。口内にある口蓋垂(のどちんこ)とその周囲の粘膜が、空気に振動してイビキが起こるのです。肥満の方は脂肪により気道(空気の通り道)が狭くなります。そのため空気の流れが速くなり、口蓋垂が激しく振動し、イビキが発生する」

夫のイビキに我慢ができず、叩いたり、蹴ったりして起こしたくなる妻の気持ちはわかる。だが、「それは望ましくない」と語るのは、睡眠や呼吸器内科を専門に扱うRESM新横浜の院長・白濱龍太郎氏だ。

「確かに一時的にイビキは止まります。けれども無理やり起こすことで、睡眠の本来の目的である細胞修復、疲労回復といった働きが分断されてしまうので、余計に体調が悪くなることもある」

ではどうやって夫のイビキを止めればよいのか。

東京医科歯科大学・睡眠制御学講座准教授の玉岡明洋氏はこう語る。

「夫のイビキに耐えられないときは、夫の傍に行って『横向き』にしてあげてみて下さい。イビキは大抵、仰向けに寝ているときに出ています。仰向けになると舌が喉の奥のほうに落ちて気道が狭くなり、イビキが出るのです。だから横にして気道に隙間を作ってあげるとイビキは止まる。

たとえば、枕の片側の下にタオルや本などを挟んで枕の高さに変化をつけると、自然と横向きの姿勢になります。また、やわらかいクッションなどを夫の背中や腰に挟むと、女性でも力をかけずに横向きに動かすことができます」