中国 ドイツ

ドイツと中国、高まる不協和音 〜金の切れ目が縁の切れ目か?

狸と狐の化かし合いが始まった

中国の怒り

中国とドイツのあいだが、いつになく緊張している。

11月1日、ドイツのガブリエル経済エネルギー相が、5日間の予定で中国へ飛んだ。財界の大物を引き連れての訪中は、いつも通り。

初日、経済会議の大会場には両国の国旗が立てられていた。楕円形に並べられたテーブルには、両国の100人近い政治家と財界人が勢ぞろいして、今か今かとガブリエル氏と高虎城(こうこじょう)商務部部長の現れるのを待っていた。

しかし、二人はとうとう現れず、会議は、同副部長の音頭により、主役抜きで始まった。二人の欠席の公式の理由は、その直前の、昼食における会談が長引いたため。真相は、高氏が会議出席を拒絶し、ガブリエル氏も欠席したということらしい。前代未聞の異常事態である。

ガブリエル大臣は、会議を欠席後、予定通り、李克強首相と会談したが、その握手の映像はなんとも不穏な雰囲気。李首相はニコリともせずに手を差し出し、“怒り"を演出している。中国の政治家は役者である。

GettyImages

中国が何に対して怒っているかというと、ドイツが、中国のドイツでの投資を妨害していることに対してである。

具体的な例を挙げれば、最近、中国のFujian Grand Chip社のドイツのアイクストロン(Aixtron)社の買収に、ドイツ政府がギリギリになって「待った」をかけたこと。審査のやり直しを命じた裏には、アメリカの圧力があったらしい。

アイクストロン社は、有機金属化合物半導体用MO-CVD装置を手がける世界的企業だ。アメリカは、同社のハイテク技術が、中国の軍需産業の手に渡ることを嫌ったという。

現在、審査のやり直しが命じられている買収の話は他にもあり、ガブリエル経済相曰く、「ドイツの最重要テクノロジーは、保護されなければならない」。というのも、実は、ここわずか数ヵ月の間に、他のEU国では例がないほど多くの、しかも、重要なテクノロジーを持つドイツ企業が、中国の手に渡ってしまっている。

8月、ドイツの最新鋭のロボットメーカー、KUKA社が中国に買収され、これによりドイツ側は急激に危機感を深めたようだ。

 
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