政治政策 地震・原発・災害 週刊現代
「原発再稼働」はもう諦めよ! 新潟県知事選でハッキリしたこと
いつまでその場しのぎを続けるの?

「政府の避難計画は絵に描いた餅だ。いや餅にもなっていない、米だ」

そう唱えた候補が選挙で勝った。福島の事故以来、政府や電力会社に国民が抱えてきた違和感と怒りは、もう抑えられない。

 

総理が電話したのに負けた

新潟県知事選を制した米山隆一氏が言う。

「今回の選挙では、柏崎刈羽原発の再稼働に反対する県民のみなさんの気持ちがハッキリと現れたのだと思います。しかもみなさんの思いは、決して『原発恐怖症』のような、極端なものでない。

我々が不安に感じているのは、安倍政権が福島第一原発の事故原因をキチンと調査しないまま、『惰性』で再稼働に向かっているように見えること。だからこそ新潟では、県民の6割超が柏崎刈羽原発の再稼働に反対しているのです」

巨大な白い軀体を持ち、世界最大821万kWの発電量を有する東京電力・柏崎刈羽原発。これを動かすか、動かさないか――その一点で争った選挙に勝ったのは、共産党、社民党などの推薦を受け、再稼働に慎重な姿勢を示す医師の米山隆一氏だった。

約52万8000票を獲得し、自民党推薦の森民夫前長岡市長に6万票以上の大差をつけた。

新潟県民は、政府与党と経済産業省、そして電力会社が進める「惰性」のような原発再稼働政策に、強烈なNOを突きつけた形だが、この県民の判断は、柏崎刈羽原発というひとつの原発の動向にとどまらず、国の原発政策にも影響を与え始めている。

そもそも今回の選挙は、原発再稼働を目指す自民党にとって、「決して負けることが許されない戦い」だった。自民党のベテラン議員が言う。

「今年の7月、現在稼働中の川内原発を抱える鹿児島県知事選で、原発停止を求める三反園訓氏が当選しています。原発立地自治体で連続して再稼働推進派の候補が負ければ、政府の原発政策の根本が揺らぎかねません。

とはいえ、当初の予想では自民党が有利と見られていました。米山氏は過去に出た4度の国政選挙ですべて負けているうえ、今回の選挙戦への出馬表明も告示の直前。準備の時間もそれほどなかったですから」

自民党にとっては「余裕の戦い」のはずだった。しかし、その甘い予想は裏切られることになる。ベテラン議員が続ける。

「告示の日に自民党新潟県連が調査を行うと両者は拮抗していたのです。まさかの事態に党内には衝撃が走りました。予想以上に県民の原発への反発が強かったということ。

自民党は慌てて、まるで『総力戦』のように知事選に注力しました。二階(俊博幹事長)さんが自ら新潟に入り、観光業界の会合など県内を11ヵ所も回った。あまりに予定を詰め込んだために電車に乗り遅れそうになる場面もあったほどです。

安倍総理自身も、直々に現地の県議や市議に電話をかけ、『なんとか頑張ってほしい』と発破をかけたらしい」

〔PHOTO〕gettyimages
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