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エンタメ
野生動物たちの驚きのセックス事情 〜トラは2日で100回以上…
陸海空、それぞれに面白い

カモのペニスは生え変わる!

子孫を残すうえで性交が欠かせないのは、人間を含めた多くの生き物に共通する。だがその方法は、それぞれの生き物の生活環境や進化の仕方によって、大きく異なる。

例えば、トラの繁殖期は、一般的に2月から5月にかけての、わずか数日だけ。この間に、トラは約2日間で100回以上の交尾を行うという。妊娠成功率が低いので、回数で補っているというのが学説だ。

また、鳥類のなかで珍しい生殖を見せるのがカモ。

カモは、本来鳥類にはないはずのペニスを持ち、それが大きく膨張するのだが、大きさが半端ではない。ヨーロッパに生息する体長40㎝ほどのアカオタテガモの場合、繁殖時にはペニスが体長の半分、20㎝に到達するまでの大きさになる。

しかも、このカモのペニスは毎年生え変わることが確認されている。繁殖期の終わりには萎み、次の繁殖期が始まるとまた再生するのだ。

ある研究によれば、オスが他の個体と激しく競争しなくてはならない環境に置かれるほど、ペニスが大きくなるという結果が出ており、競争に勝ち抜くために生殖器が進化を遂げたことがわかる。

アンコウのオスは、メスに吸収される

陸、空、とくれば、海。海洋生物にも面白い生殖を行う生き物がいる。

例えば、チョウチンアンコウの仲間であるビワアンコウ。深海で暮らしているが、メスが最大120cm程なのに対し、オスは最大でも15㎝程にしか成長しない。

広い深海に棲むアンコウにとって、同じ種類の異性と遭遇する機会は極めて稀。そのため、オスはメスを見かけたら千載一遇のチャンスを掴むべく、メスに噛み付く。これが、アンコウの生殖行為の始まりだ。

噛み付いたオスの唇とメスの皮膚は徐々に融合。最終的には血管までもがつながり、2匹は栄養も共有するようになる。やがて、オスの体は吸収され、最終的に肥大化した精巣だけが残る。オスは、子孫を残すための「器官」だけになるのだ。

やはりどんな動物であれ、新たな生命を繋ぐメスのほうが強いのかもしれない。(岡)

驚きと感動に満ちた、地上のセックスライフを観察せよ!愛か、生存競争か?抱腹絶倒のサイエンス・エッセイ。

週刊現代』2016年11月12日号より