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51歳で独立・起業、「コーヒーで世界を変える男」川島良彰が目指すもの

第16回ゲスト:川島良彰さん(後編)
島地 勝彦 プロフィール

「コーヒーハンター」の挑戦は続く

島地 グッときますね。上島さんといい、JALの取締役といい、ホセには男気のある人をひきつける天賦の才があるんですね。

川島 いやあ、ありがたい話です。結果的に成功して、今はファーストクラスとビジネスクラス、エコノミークラスそれぞれに、ミカフェートのコーヒーをご提供しています。機内では品質のビラミットが完成して、私にとって大きな自信になりました。

日野 エルサルバドルに渡った時はコーヒー栽培を学ぶつもりだったんですよね。今、自社で農園開発もしているんですか?

川島 そこはよく聞かれるんですが、していません。というのも、私の使命は生産者と消費者の橋渡しだと思っていて、もし自分で生産すると自社の豆を優先したくなります。そうではなく、「コーヒーハンター」として世界中の農園を訪ね歩き、素晴らしい品質のコーヒー豆をつくりながら、埋もれてしまっている生産者を発掘したいんです。

もう一つ、麻薬栽培で有名だった東南アジアのゴールデン・トライアングルを、コーヒー豆栽培へ転換させるプロジェクトにも参加しています。ただ栽培するだけじゃなく、サスティナブルな栽培を可能にするために必要なのは市場です。タイで栽培しているコーヒーは、東京大学から認められて「東大コーヒー」として販売されていますが、こういう活動も継続していきたいですね。

島地 まさに「コーヒーで世界を変える」ですね。素晴らしい。このシマジ、これからも微力ながら協力させていただきます。

川島 よろしくお願いします。今日はせっかく呼んでいただいたのに、葉巻にお付き合いできずすみませんでした。じつは私も葉巻は大好物なのですが、日本に本物のコーヒー文化を根付かせるという夢が叶うまで、願掛けで社員一同禁煙中でして。

島地 その禁が解けたらご一報ください。極上の葉巻をプレゼントしましょう。

〈了〉

〔構成〕小野塚久男
〔撮影〕峯竜也
〔撮影協力〕CASK strength

川島良彰(かわしま・よしあき)
1956年、静岡県の珈琲焙煎卸業の家に生まれる。高校卒業後、中米エルサルバドルのホセ・シメオン・カニャス大学に留学。その後、国立コーヒー研究所に入所、内戦勃発後も同国に残りコーヒーの研究を続ける。1981年UCC上島珈琲(株)に入社、ジャマイカ、ハワイ、インドネシアなどでコーヒー農園を開発、各現地法人の役員・社長などを歴任する。マダガスカル島で絶滅危惧種マスカロコフェアの保全保護に携わり、レユニオン島で絶滅したとされていたブルボン・ポワントゥの発見・再生で同島のコーヒー産業を復活させる。51歳で上島珈琲を退職、株式会社ミカフェートを設立し代表取締役就任。日本サスティナブルコーヒー協会理事長、東京大学研究会コーヒーサロン共同座長、日本貿易振興機構(JETRO)コーヒー・アドバイザー、JAL日本航空コーヒーディレクターなどを務める。著書に『コーヒーハンター 幻のブルボン・ポワントゥ復活』、『私はコーヒーで世界を変えることにした。』など。

著者: 開高健、島地勝彦
蘇生版 水の上を歩く? 酒場でジョーク十番勝負
(CCCメディアハウス、税込み2,160円)
1989年に刊行され、後に文庫化もされた「ジョーク対談集」の復刻版。序文をサントリークォータリー元編集長・谷浩志氏が執筆、連載当時の秘話を初めて明かす。

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