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ボジョレーおいしいですか? 自信をもってすすめる国産ワイン10選

1日1本半ワインを飲む筆者が教える

拙著「知ればおいしい!今夜使えるワインの小ネタ」は、日本ソムリエ協会の認定試験の受験勉強とは無縁。「ヘェー、意外な話だね。飲み会の盛り上げネタにしよう」「今度のデートで話して、イイカッコしよう」と正しく悪用し、ワインを楽しく、おいしく飲むためのネタ帳にしていただければ幸いである。

そこで今回はぜひ日本のワインについて語りたい。

フランス物をはじめ、愛好家は海外のワインに目を向けるが、日本も物凄く頑張っている。日本のブドウ栽培は「生食用が大部分で、ワイン用は少量」と、世界的に極めて珍しい。

日本以外ではトルコだけかも。そんな事情に加え、農作における労働コストと地代が世界で最も高い上に、雨が多くてジメジメした気候はブドウ栽培に全く向かない。ワインに魅入られた人達は、そんな最悪の条件を勤勉さで補っているのだ。

世界のトップレベルのワインを造ろうと、起きている時も夢を見ている生産者も少なくない。私の個人的な思い入れの詰まったワイナリーを紹介する。

 

日本3大幻のワインのひとつを手がける。ナカザワヴィンヤード(北海道)

ワインのプロが、中澤一行さんの手になるクリサワブランを飲むと、上質のアルザスと思うだろう。この白はゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ、ケルナー、シルヴァーナなどの「寒冷地仕様の白ブドウ」をブレンドしたもの。

最近、ピノ・ノワールの赤も造る。日本でゲヴュルツができることに驚き、そのゲヴュルツが、凝縮したライチのように香り高いことにもっとビックリする。マニアの間で「日本3大幻のワイン」の1つ(残りは、ボー・ペイサージュのラ・モンターニュと熊本ワインの菊鹿)。

以前は、栃木県のココ・ファームで醸造してもらっていたが、2013年から同じ岩見沢市内の10R(トアール)ワイナリーで醸造し、ブドウ、ワインとも「道産子」になった。

日本初の本格スパークリングで有名。タケダワイナリー(山形県)

日本を代表する生産者。寒冷地で、精密機械のようなワインを造る。日本初の瓶内二次発酵で造った本格的スパークリングワイン、キュベ・ヨシコが超有名。

1999年、若主人の武田伸一さんと東銀座のワイン会でお会いしたことがある。その数日後、事故死されたと聞き、絶句した。今でも、キュベ・ヨシコを見るたびに、ワイン会での伸一さんの笑顔を思い出す。今は、妹の岸平典子さんが跡を継いでいる。

超希少につき、みつけたらすぐ買うべし。ボー・ペイサージュ(山梨県)

マニアの間で「日本3大幻のワイン」の1つが、八ヶ岳の麓で岡本英史さんが造るメルロ、ラ・モンターニュ。これを飲むと、ラ・モンターニュに勝てる赤は、ボルドー全体でも1ダースあるだろうかと思う。ワイナリーの規模が小さく、全てが手作業なので生産量は蚊の冷や汗ほど。見つけたらまず買ってから、金策に走ろう(というほど高価ではないけれど)。

請われてヨーロッパに輸出。勝沼醸造(山梨県)

日本が世界に誇る品種、甲州を使って、最も多くワインを造っているのがここ。「日本には白ワインがない」と嘆く人は、アルガブランカ・ヴィニャル・イセハラを飲んでから言ってほしい。

イセハラは、ボルドーのベルナール・マグレから「ぜひ、ヨーロッパで売りたい」とのラブコールを受け、2007年から200ケースが輸出されている。

どうでもいいけど、社長の有賀雄二さんは、東国原元宮崎県知事とそっくりで、私には、識別不能。

帝王の目に留まったワインを醸造。中央葡萄酒(山梨県)

ワイン界の絶対的帝王ロバート・パーカーが取り上げた、日本初(というよりアジア初)のワインが、ここの「グレイス甲州キュヴェ・ドゥニ・デュブルデュー2004年」で、87~88点だった。

山梨県のワイン産業を牽引する生産者の1人で、「山梨の甲州を世界の甲州にしたい」と頑張っている。日本ワイン界最高の美女と誉れ高い、三澤茂計社長の長女、彩奈さんが醸造責任者。

日本が世界に誇るメルロ。シャトー・メルシャン(山梨県)

1985年が初ヴィンテージの桔梗ヶ原メルロは、あのヒュー・ジョンソンが、「ペトリュスに対する日本の答えだ」と驚いたらしい。

私がボストン駐在から帰国するにあたり、世話になったワインショップの店員さんに、「これは、日本が世界に誇るメルロだ」と言って、1本プレゼントした。

1ヵ月後、店員さんから、ボストンのワインのプロが集まる勉強会で、1985年のポムロルを比較試飲した際に、桔梗ヶ原メルロをまぜたところ、ペトリュスやトロタノワを抑え、ル・パンに次ぐ2位だった、と知らせがきた。日本エライぞ、チャッチャッチャッ。